2023年、新年があけてずいぶん経ってしまいましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。早いもので、今年は45歳。つい先日40代に突入したなと思っていたら、あっという間に40代も折り返しになってしまいました。

私は24歳のときに禅の専門道場に入門いたしました。
 
ですから、僧侶を志してからもう20年以上も経つことになります。僧侶になるときにはいろいろな支度が必要ですが、最も重要なもののひとつが法衣(ほうえ)です。修行僧には修行僧専用の法衣がありますし、修行ののち、僧侶としての資格が与えられると許される法衣もあります。いまでも坐禅をするときには修行中に着ていた雲水衣という法衣を着てやりますので、もう20年以上も同じ法衣を使わせていただいていることになります。

修行時代、師匠である老師は服装について厳しく指導されていました。いまでも印象に残っているお言葉がたくさんありますが、中でも大切にしているものがあります。

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「新しいものや華美なものを身に着ける必要はない。ボロでもいいから、常に清潔なものを身につけなさい。胸元や裾に常に気をつけ、きちっと着ること。そして、法衣は大切に扱いなさい」。

20年以上も使わせていただいているので、かなり年季が入っていますが、傷んだところを繕いながらいまでも大切に身に着けています。見た目はボロくなっていますが、清潔に保ちながら、乱れないようにきちっと着ることを心がけています。
 
道場の門を叩いたときの緊張感や覚悟、そして、檀家さんから授けてもらったというさまざまな思いも詰まった特別な法衣。40代半ばになっても、原点を思い出させてくれる大切なものです。

モノは朽ちていくものですが、大切に扱いながら、なるべく長く身に着けていきたいなと思います。


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