Mon 220124 宝ヶ池プリンスホテル/COP3/洛北散策/赤本の教学社を発見 4161回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 220124 宝ヶ池プリンスホテル/COP3/洛北散策/赤本の教学社を発見 4161回

 今日の記事では、200810月に書いた1本のブログ記事を紹介したい。「Fri 081010 赤本には間違いが多いという噂で悩むな 過去問の正解で右往左往するな」。14年も前のブログ記事なのに、昨日だけでも20件のアクセスがあった。ちょうど今、みんなが赤本の扱いに悩んでいるようだ。

(雪の舞う京都で、岩倉から洛北の散策を開始。上賀茂神社まで2時間を歩き通した)

 

 今年の京都は、雪が多いようである。何しろ東京でも連日こんなに寒い日が続く。京都の人に「京都の寒さは特別ですね」と言ってみると、満面の笑みで応えてもらえることが少なくないが、つい2日か3日前にもまた積雪14cmになったそうだ。

 

 ワタクシの京都の定宿は、堀川中立売のブライトンホテルであり、ブライトンに飽きると蹴上のウェスティンを選ぶ。15年前までは京都駅前のグランヴィアが便利で気に入っていたが、いやはやさすがに余りに騒然としていて、少しずつ&少しずつ京都の奥に入り込むようになった。

 

 すると「もっと奥へ」「もっと奥へ」と、まるで本能に導かれるように京都の街を北上し始めた。まず、ウェスティンの価格設定が異様に高くなった。「1泊 → 最低で6万円」を提示されれば、蹴上から南禅寺周辺の朝の散策がどんなに気に入っていても、財布の中身が心配で、落ち着いて散策なんかしていられない。

    (雪の洛北散策を、妙満寺から開始する 1)

 

 一時は川端二条のリッツカールトンを選んでいた。2018年の秋から2019年の夏のことである。ホテルの中のレストラン「ラ・ロカンダ」にもずいぶんお世話になった。3人でも4人でも平気で入れそうな大きなバスタブもよかった。

 

 しかしやっぱり、値段設定が高すぎる。最低価格でも1泊10万円に接近すると、出張旅行では「非常識なカテゴリーに接近中」という黄色ランプが点滅、やがてランプは黄色からオレンジに色が変わって、「リッツカールトンは大阪の梅田だけにしときますかね」と、ふと溜め息をつくことになる。

 

ANAクラウンプラザ」を試した時代もある。真夏のことで、祇園祭の山鉾巡行を満喫するには便利。窓の下には二条城の雄姿があり、山&鉾巡行の最後のクライマックス→ 新町通りまでは徒歩で5分程度。祇園祭用のロケーションとしてはベストだった。

 

 しかしこのホテル、「最上階の空調が効きにくくて」と、フロントクラークが扇風機を2台も3台もお部屋に持ち込んでくるは、しまいには4連泊したワタクシの部屋の真上と真横で、朝7時から夕暮れ5時までコンクリの壁をドリルで削り、大音響の大工事を展開するアリサマ。さすがの温厚な今井君も「2度と宿泊しません」と覚悟を決めた。

 (宝ヶ池プリンスホテル最上階から、雪の京都洛北を望む)

 

 というわけでワタクシは北上に北上を続け、御所の西というか、今出川通りの南というか、古色蒼然とした西陣の町、ブライトンホテルに落ち着くことになった。2018年の秋に2週間、2020年の冬にも2週間、「国内旅行で2週間滞在」という快挙を、2回も3回も繰り返すことになった。

 

「ブライトン、ずいぶんお好きなんですね」という感想までいただくことになったが、どういうものか今井の北上癖にはトメドがなくて、2021年にはとうとう「宝ヶ池プリンスホテル」にたどり着いた。

 

 京都地下鉄・南北線の終点は「国際会館」という駅であるが、京都人でもなかなか地下鉄の終点までは行き着いたことがないんじゃなかろうか。京都駅から乗り込んだ地下鉄は、四条や烏丸御池までは満員でも、丸太町や今出川を過ぎてガラガラになり、北山の駅でほぼ無人になって、「国際会館」まではほとんど「空気を運搬」という状況になる。

 

 そこに我が「ザ・プリンス 宝ヶ池」が存在する。国際会館駅は、要するに宝ヶ池プリンスホテルのための駅であって、世界的に有名な国際会議場を利用する人々も、多くがこのホテルを利用する(はずだ)。

    (雪の洛北散策を、妙満寺から開始する 2)

 

 199712月、京都での開催になった地球温暖化防止・京都会議(COP3)には、世界各国から多くの関係者が参加。二酸化炭素・メタン・HFCなど温室効果ガスについて、先進国の排出削減につき法的拘束力のある数値目標を定め、「京都議定書」として採択された。

 

 ちょうど今井君が、河合塾やら駿台やら代ゼミやらで、若手♡超人気♡講師として大活躍していた頃だ。難関大学の長文読解問題には「COP3」に関わる新聞雑誌記事がバンバン出題され、今井君編集による時事英語テキストにも、COP3関連の長文をズラリと並べだ。

 

 今こうして宝ヶ池プリンスのお部屋に落ち着いてみると、あの時COP3に参加した環境問題の世界的権威の皆様も、おそらくこのホテルの静かな雰囲気を満喫したのだろうと、ふと感動がこみ上げてくる。

 

 数えてCOPは昨年がもう「26」。京都議定書の感激から、もう四半世紀が過ぎた。あんなに熱く盛り上がったCOP3の記憶も薄れ、宝ヶ池プリンスは京都市内の熾烈なホテル競争にさらされて、さすがにこのロケーションではその旗色は極めて悪い。

    (雪の洛北散策を、妙満寺から開始する 3)

 

 グランヴィアやらリッツカールトンやら、三井ナントカやら「アマン」やら、立地の面でもリッチさの面でも、なかなか太刀打ちは難しそうだ。フロントもラウンジもレストランも、昼間も夕暮れも怖くなるぐらいの静けさに包まれて、毅然とした風格を誇るこのホテルの将来が心配になる。

 

 しかしワタクシは当分の間、「京都での宿泊は宝ヶ池で」と決めている。贅沢すぎるホテルというのは、デレデレ系の怪しいカップルならいざ知らず、ホンの少しでいいから知的な顔をしていたいサトイモどんには、やっぱり恥ずかしすぎるのだ。

 

 公開授業のマジメな京都出張でわざわざこんな北のはずれのホテルを選べば、何だか返って怪しい事情があるみたいで、「いったいどうして?」というニヤニヤ笑いを誘発しかねないから、まあここにその辺のことをキチンとお断りしておく。

 

 ついでに諸君、ワタクシは宝ヶ池プリンスからの洛北の散策が大好きなのだ。蹴上のウェスティンから東山の超高級邸宅を巡り歩く散歩もいいが、宝ヶ池からなら、例えば岩倉「実相院」を目指してもいいし、デヴィッド・ボウイが愛した正法寺も近い。

 

 今回の京都滞在では、ちょうど雪が降った朝のことでもあり、雪の庭の美しさで人気を集めている「妙満寺」を目指した。妙満寺から円通寺付近を通り、冬ざれた深泥池を左に見ながら、カキツバタで有名な大田神社を経由、上賀茂神社まで。降りしきる雪の中を、ゆっくり歩いて2時間の散策である。

  (京都・岩倉を散策中、赤本の「教学社」を発見する)

 

 散策を始めてすぐ、ごくありふれた3階建ての地味な事務所に「世界思想社 教学社」の看板を発見。これがあの有名な「赤本」の総本山である。赤本は、実はこの京都の地味な出版社が1954年から手がけて70年、ついに日本人の人生で一番大切な役割を果たすであろうシリーズの1つにのし上がった。

 

 1954年には、京都大・同志社・立命館・大阪市立大・神戸大の5校のみでスタート。それから営々と70年、誠実に出版の努力を続けてきたが、いまだに「解答解説に誤りが多い」「赤本の間違いを見つけました♨︎」「論述式の解答が甘すぎる」など、昔ながらの悪評にさらされている。

 

 しかし諸君、どんなに20世紀の大予備校が類書や類シリーズを積み上げても、赤本の牙城はビクともしなかった。どうすんだい?(仮名)が「青本」、Pretty塾(仮名)が「黒本」、今はほとんどなき佐々木ゼミ(仮名)が「白本」、乙会(仮名)も「グリーン本」。しかしさすが元祖、さすが本家本元、すでに赤本は、固有名詞から普通名詞のカテゴリーに入りつつある。

 (深泥池を左に見ながら雪の洛北を進むと、まもなく大田神社に出た)

 

 我々の「過去問解説講座」も、元はと言えば「赤本シリーズを映像授業の形式で」という理想からスタートし、ワタクシ今井も2005年から早稲田大・名古屋大・広島大・岡山大・熊本大・三重大でこの企画に参加。今も名古屋大と京都大を担当している。

 

 むかしむかし今井君は「青本」も書いた。慶應義塾大学SFCの2学部、「環境情報」と「総合政策」の1995年と1996年であるが、実際に執筆してみると、横綱♡赤本の苦労と苦心をマコトによく実感する。

 

 今の我々の過去問解説講座にしても、大先輩♡赤本の充実とボリュームと信頼感を、どこまでも真摯に追い続けなければならない。降りしきる雪の中で、いかにも京都の出版社らしい落ち着いた看板を眺めながら、近い将来この大先輩を「完全に追い抜いた」と快哉を叫ぶ日を、ふと夢みたサトイモ君なのであった。

(カキツバタで有名な大田神社。さすがに1月は静まり返って、小ぶりのシラサギ君が闊歩しているだけだった。)

 

 いまだに「間違いが多い」「甘い」という批判にさらされることの多い先輩について、ワタクシが2008年に書いた記事は、今もなお当ブログの人気記事の1つ。1年に3000近いアクセスが続いている。

 

 14年も昔のブログ記事にこんなにたくさんのアクセスがあるんだから、受験生諸君の悩みは今も昔も変わらないんだと実感する。昔はセンター、今は共通テスト、理不尽に時間に終われ、時間との戦いにイライラが募った1月の戦いは終わって、ようやく本格的に過去問と本気で取り組んでいる頃だ。

 

 するとやっぱり「赤本には間違いが多い」とおっしゃる予備校講師の発言が気になって、ますますイライラが募るだろう。そこで諸君、ここは今井大明神のご託宣を是非ともお読みなされ。しつこいようだが、もう一度はりつけておく。「Fri 081010 赤本には間違いが多いという噂で悩むな 過去問の正解で右往左往するな

 

 読むのに10分かかるかもしれないが、その後は迷いも一切解消、過去問との取り組み方がよーく分かって、最後の追い込みにますます力が入るだろうと信じるのである。

 

1E(Rc) Bernstein & New York:/SHOSTAKOVITCH SYMPHONY No.5

2E(Rc) Rozhdestvensky & Moscow RadioBARTOKDER WUNDERBARE MANDARIN  & TWO RHAPSODIES FOR VIOLIN & ORCHESTRA

3E(Rc) Darati & DetroitSTRAVINSKYTHE RITE OF SPRING

4E(Cd) 東京交響楽団:芥川也寸志/交響管弦楽のための音楽・エローラ交響曲

7D(DMv) CAPTAIN HORATIO HORNBLOWER

10D(DMv) AIN’T THEM BODIES SAINTS

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