ワクチンの臨床試験開始 米製薬企業 新型コロナ 世界で3番目

ワクチンの臨床試験開始 米製薬企業 新型コロナ 世界で3番目
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アメリカの製薬企業「イノビオ」は6日、開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、安全性を確認する臨床試験を開始したと発表しました。世界で開発中のワクチンで臨床試験に進んだのは、これが3番目となります。
「イノビオ」はワクチン開発のための世界的な連携機構、CEPI=感染症流行対策イノベーション連合の支援を受けて、ことし1月中旬に新型コロナウイルスのワクチンの開発に着手しました。

ワクチンは動物を使った実験では効果を確認できていて、これを受けて6日からペンシルベニア州とミズーリ州で臨床試験を開始したということです。

40人の健康な成人に4週間の間隔で2回ワクチンを打って、安全性を確認するということで、順調に進めばことしの終わりにはワクチンを緊急的に使うことができるようになるとしています。

開発中のワクチンはヒトの細胞の遺伝子に働きかける「DNAワクチン」と呼ばれる新しいタイプのもので、従来のウイルスを利用したワクチンに比べて、開発や生産にかかる時間が大幅に短縮できると期待されています。

しかし、このタイプのワクチンでは実用化されたものがないため、臨床試験でヒトに対しても予防の効果があがるかが最大の焦点となっています。WHO=世界保健機関によりますと、新型コロナウイルスに対応するワクチンについては現在、各国で合わせて60種類以上の開発が進んでいますが、臨床試験の段階に進んだのは、中国とアメリカの別の製薬会社に続き3番目になるということです。