『MMM Radio Psychedelic』(20) MMM Radio Psychedelicへ戻る

%%header%%閉じる

%%message%%

ROCK NEXT STANDARD 日本のシンガーソングライター特集ストア

2011年8月10日 (水)


『MMM Radio Psychedelic』×「3.10MMM」× HMV

音楽雑誌「MARQUEE」で好評連載中のクラムボン・mitoさんと MARQUEE編集長・MMMatsumotoさんによる「3.10MMM」が、 WebDice上でネットラジオとしてスタート!
その名も『MMM Radio Psychedelic』。今回は第20弾です。
2人による音楽談義がギュッと詰め込まれた、他では聴けない超レアな番組。 HMV ONLINEでは「3.10MMM」と『MMM Radio Psychedelic』で紹介したアイテムを合わせてご紹介!
必見必読です!




mito mito from clammbon
クラムボンのベーシスト。いくつかのソロプロジェクトや多方面のアーティストのプロデュース活動も活発に行うオールラウンド・プレーヤー。
MMMatsumoto MMMatsumoto  from「MARQUEE」
ポップカルチャーとマニアックな視点で独自な音楽を紹介する音楽雑誌「MARQUEE」の編集長。



どもです、ミトです!!お待たせいたしました!『MMM Radio Psychedelic』 vol.20の配信開始です!!さて、今回のテーマ!暑〜い残暑のなか、またもややってしまいますは、『怖〜いやつ!!part2!!』でございます!!!
前回の配信で「ぜんぜん紹介できてないよぉ〜!」という僕らの願いを、今一度叶えるために、今回も即効系、アカデミック系、遅効的ヒステリック系等など、よりすぐられた音源を皆さんにお届けっ!!やっぱり夏は「コワ〜い」の聴いて、ちょっとひんやりですよ!熱中症に気をつけなきゃですよ!!そして、ぜひぜひ音量は大きめに、、、ダイナミクスを強調した、サウンドミックスにてご提供ですっ。それではいってみましょうか〜!!





【MMMRadio Psychedelic 2011 Vol.20】
音楽雑誌「MARQUEE」とMMMRadio Psychedelicで紹介したPlay Listをご紹介


取り扱いなし
『The Thing』 Original Motion Picture Soundtrack
※取り扱いなし

1st set   Ennio Morricone /
『The Thing』 Original Motion Picture Soundtrack


1982年にジョン・カーペンターが監督し、以降ホラー映画として燦然と輝くマスターピースとして世間に広まった傑作。この映画のサウンドトラックを担当したのは、なんと巨匠エンニオ・モリコーネであった。ただし、この音源は彼の中でも重大な「黒歴史」であるらしく、発表されてから彼の口からこの作品についての言及は全くない。そして、モリコーネの作品でも特に異彩を放つのが、そのメインテーマ。極彩色豊かなオーケストラ、メロディックな構成が彼の持ち味であったにもかかわらず、ここに流れる音楽はまるでフィリップ・グラスのようにミニマルなシンセサウンド!!しかし、ここで僕が感じる「唯一無二の虚無感と失意」は、他の音楽ではついぞ味わったことのないものである…まさに異端の芸術!!

解説 by mito

mito 「邦題だと『遊星からの物体X』のサウンドトラックなんですけども、すごい完成度の高いおぞましい音楽として、僕の中では確固たる地位があるんです。その音楽をやっているのがエンニオ・モリコーネなんですねコレ!」
MMMatsumoto 「(笑)」
mito 「モリコーネと言ったらアレですよ、『ニューシネマ・パラダイス』とかね?基本的にはクラシカルな、非常に優美な曲を作る人なんですけども…。なぜだか知らないんですけど、この映画に至ってはシンセなんですよ!「えええ〜〜っ!?」みたいな(笑)」
MMMatsumoto 「監督からの要望ってことなんですかね?」
mito 「僕が思うにですけどね、あくまで僕の想像の範囲を超えないんですが……(つづく)」


続きをWebDiceで聴く!  







取り扱いなし
 Masstishaddhu
Shekinah
※取り扱いなし

2nd set   Masstishaddhu / Shekinah


Nurse With Woundのメンバーが設立したUnited Dairies(あのエイドリアン・シャーウッドが実験場として暗躍していたことは有名)からリリースされた3人組の音源。レーベル仲間であるCurrent 93などにも似た呪術的なアプローチとコーマスのような叙情性、しかしそのどちらとも違うのが、徹底的なダーク・イメージとシュール感であり、たった2曲の中で人々にこれでもかというほどの違和感と恐怖を植え付ける。ただし楽曲のパーツを一つ 一つフォーカスしてゆくと、ただ垂れ流しのドローンではなく、しっかりと演奏(もちろん徹底的に不協に)し、構成も重層的でドラマツルギーにあふれている故に、ただ流れてしまう音楽でなく「聞くための音楽」として成立していることを確認できる。この音源の魅力は、そういった奇跡の連鎖が時間軸上に録音されていることなのだ。

解説 by mito

mito 「僕のこういう呪術系が好きな(理由の)中に映画の影響があって。『機動警察パトレイバー』っていうアニメがあって、その『パトレイバー the Movie』の音楽をやってたのが、押井守監督の片腕である川井憲次さんで。そこで流れている音楽がすごい居心地が良かったんですよ、不気味ではあるんですけど」
MMMatsumoto 「異国な感じ?」
mito 「そうそうそう。なんかその“不気味な異国感”って結構自分の肌に合ってるらしくって。なんかね、たまにこういうところに入りたがるんですね。アフリカンな土着したモノとかも好きなんですけど、呪術的な方が好きで。でもゴシックじゃないんですよ」
MMMatsumoto 「うんうん、わかります」



続きをWebDiceで聴く!  






3rd set   Fernando Grillo / Fluvine


70年代イタリアン・ロックの至宝である『Cramps』レーベルが、より実験的に音楽を深く追求するというテーマを持って設立された『DIVerso』シリーズ。そこから発表されたのがこのアルバム。AREAのメンバーなどとも交流を持ち、プレーヤーとして数々のセッションに参加しているだけあって、コントラバスのプレイにもバリエーションと個性がにじみ出ている。素晴らしいのは、徹底した現代音楽的アプローチであるにも関わらず、粗野なテクニックで押し切るような演奏を全くしていないということ。アルコ(弓)でゆっくりと弦を引っ掻いてゆくプレイなども、しっかりとしたプレーヤヴィリティーがなければ、あんなに安定して鳴らすことは難しいし、不協和音をならす際にも決して基音(?)からピッチを外さないように、しっかりとフレットをなぞっているのだ。当時「天才」と言われた彼の心意気、そしてインプロヴィゼーションに対しての愛着と熱意が、この音源には詰まっている。

解説 by mito

mito 「例えばどっかの別荘とか山小屋に行って、椅子をガタガタガタッて動かすとビックリするのと同じような音っていうのが、僕はこのコントラバスに感じるのね。そういう“木が鳴る”っていうか軋むっていう」
MMMatsumoto 「なるほど〜。それは嫌なの?感覚的に」
mito 「最初のころは嫌ですよね。多分みんなあんま好きじゃないんじゃないかなと思うんですけど。でもなんかこう、異様に聴きたくなってしまう自分っていうのが裏っ側にいて。弦がギシギシ軋んでる緊張感って独特ですよね」
MMMatsumoto 「そうだね。オレ好きだけどね〜。なんかね、音が響いてる感じが好きなんですよ。例えば、弦巻いた時にキリキリって音がするでしょ?その残響の広がりがすごい好きで」
mito 「それ“ナチュラルボーン・エレクトロニカ好き”ってことですよね、ある種(笑)」
MMMatsumoto 「そうかもしんないね(笑)」
続きをWebDiceで聴く!  







取り扱いなし
FRITZ HAUSER & STEPHAN GRIEDER
THE MIRROR
※取り扱いなし

4th set   FRITZ HAUSER & STEPHAN GRIEDER / THE MIRROR


スイスの伝説的プログレッシヴバンド『CIRCUS』のリーダーであるフリッツ・ハウザーが、CIRCUS解散後に作ったバンド『Blue Motion』でキーボードを弾いていたステファン・グリーダーと結成したユニットである。即興を重きに展開されるドラムとパーカッション、そしてピアノやオルガンが、アンビエンスたっぷりなスタジオで緊張感のあるセッションを繰り広げる。この作品を発表後、フリッツはいうなるロックバンド・スタイルの活動に 終止符を打ち、現代音楽やフリー・ジャズの世界へと没頭してゆくのだが、不思議なものでこの作品には「現代音楽にもフリーにも感じない…しかしそれという言葉以外見つからない」いびつな音像をかいま見る。それは特に感情の「端」をキャッチーに紡ぎだすような姿勢であり、そのあとの実験音楽作品に比べ、いつも以上に狂気を演出しているように感じはしないだろうか?そういった意味で、この音源はとても分かりやすい「狂気音楽」と言えるだろう。

解説 by mito

mito 「なんで現代音楽の連中って、こういう怖い方向に向こうとするんですかね?これをもうちょっとキャッチーにする方法って、全然出来たわけじゃないですか?」
MMMatsumoto 「ピチカート・ファイヴは、現代音楽をポップスでやった一番良い例かなって思ってるんですよ」
mito 「へぇ〜!」
MMMatsumoto 「根本的にまずサンプリング・ミュージックですよね」
mito 「なるほどね」
MMMatsumoto 「選んでる素材がすごく丸かったりカラフルだったりしてるんであって、その組み合わせ方とか集め方・集めるセンスはすごく現代音楽的だと思う。ポップアート的っていうか」

続きをMARQUEEで読む!  






5th set   MARK STEWART+MAFFIA / Learning To Cope With Cowardice


PILと並んで1980年代初頭のUKニューウェイヴの先端を行った THE POP GROUP。当時のUKシーンは70年代からのUKレゲエがロックの実験性と化合しダブという手法を取って先鋭化した。その流れの中でも特に際立っていたのが、THE POP GROUPだった。今となってはマッシヴ・アタック等ブリストル系の先駆でもあり、更にその後のクラブミュージックへの影響も大きい。マフィアはそのTHE POP GROUPの中心人物・マーク・スチュワートが解散後の80年代半ばに組んだバンドだった。で、これが強力! UKダブ・シーンの重鎮となるエイドリアン・シャーウッドと結託し、最も過激なこの1st アルバムが生まれる。ズタズタに寸断されたデコラージュなダブサウンドでやりたい放題。今聴いても耳穴を引っ掻くような、破壊衝動とダンスビートの出会いが新鮮!

解説 by MMMatsumoto

MMMatsumoto 「エイドリアン・シャーウッドはすごい怖い人だと思ってたんだよ。ところが何年か前、ACOさんから聴いたのかな?一緒に仕事したっていうから「どうだった?」って訊いたら「すごい良い人だった」って言ってて(笑)。「ええ〜っ!?」って(笑)」
mito 「良いオヤジだった、みたいな(笑)」
MMMatsumoto 「うん(笑)。そうすると、このアルバムは若気の至りなのかな〜っていう(笑)。この頃のエイドリアン・シャーウッドはホントにスゴくて。この彼らの活動が、のちのマッシヴ・アタックとかになるわけだよ」
mito 「いやいや、もうコレはまさにアタリ・ティーンエイジ・ライオットじゃないですか」
MMMatsumoto 「ああ、アタリだね(笑)」
mito 「僕ねフジロック'08で観てるんですよ、マーク・スチュワート+マフィア。いや〜、恐ろしかったぐらいカッコよかったっすね。ヘタしたらこれだけ観に来たのかなってぐらい」
続きをWebDiceで聴く!  






Faust

6th set   FAUST / Faust


1971年リリース。ドイツ・アヴァンギャルドミュージックの最高峰と言えば、このアルバム。クリア・ヴィニールにクリア・ジャケ、そこに墨塗りレントゲン写真。音を鳴らせば、耳を威圧するホワイトノイズの中でストーンズとビートルズのナンバーがかき消され、キッパリ60年代とUK・USのロック様式に決別。いきなりロック解体で始まる基本サウンド・コラージュ形態な彼等の音楽は、サイケデリックが超ハイパーにブッ飛んだ地点での現代音楽とも言えて、クラシカルで端正なピアノもノイジーなバンドサウンドもホワイトノイズのループ等どれも等価。根本ロックミュージックだが、音を扱う目線がストイックでシリアス、またブラックユーモアも強い。そして何より今聴いても驚くべきは音響。どんなダブ、どんなポスト/マスロック、ニカ系等とも異質なこの音響・質感は絶対に聴いておくべき。特にミュージシャンとエンジニア達は。音楽を聴く耳・感性・価値観を変える可能性のある音楽。ザッパのやっていた事を局部肥大化・過激化したのがファウストと思っていただければOKか、と。

解説 by MMMatsumoto

MMMatsumoto 「ファウストが初めて日本に来た時のLiveを旧(新宿)リキッドルームで観たんだけど、煙でモクモクになっちゃって全員逃げたっていう。オレも逃げたんだけど」
mito 「(笑)」
MMMatsumoto 「逃げて煙がなくなってから戻ったら、まだ演奏やってたっていうさ(笑)、伝説のLiveがあるんだけど。結構即興のLiveなんだよね、そのへんにあるモノを全部使っちゃうっていう」
mito 「僕はファウスト最初に聴いた時って、“じゃがたら”とかとすごい似たようなイメージを感じたんですよ。なんかあの“どこからともなくそのパートが出てきてしまう感じ”みたいなのがファウスト感に合ったのかもしれない。怖いんだけど、ひっくり返すと笑えるっていうところも、じゃがたらと同じだな〜とか思ったりして」
MMMatsumoto 「おー、なるほど」
続きをMARQUEEで読む!  






今月のMARQUEE

商品ページへ

    MARQUEE Vol.86

    [ 2011年08月10日 発売 / 通常価格 ¥800(tax in) ]






前号に引き続きマーキー史上最長のページ数でお送りする今回のテーマは、夏(?)。いや意図したワケではないのですが、遂に幻のベールを脱ぐ表紙+第一特集andropの撮影から始まり、いよいよ根幹に迫った“夏休み”(拡張されるモラトリアム)がテーマの特大巻末特集・神性かまってちゃんに終わるまで、なぜか夏の光・コントラストに引っ張られていたような...。そして今回のマーキーは多様化してます。振り幅はマックスかと。巻頭特集はこれも初となる女王蜂の対談(女優でフォトグラファーの松田美由紀さんとの)で明かされる彼女達の価値観に、中田ヤスタカと盟友・きゃりーぱみゅぱみゅの変撮影にインタビュー、もちろん中田本人へもインタビューとか、ももいろクローバーZ計13ページ特集内での綴じ込みミニ写真集と彼女達へのインタビューはもちろんのこと、音楽ディレクター、マネージャーへのインタビュー等も。居場所は違っても「オッ!」と思わせる表現の在り方に注目しての今回の広がりです。もちろんYUKI、ねごと、School Food Punishment、ROCK'A'TRENCH、毛皮のマリーズ、SEKAI NO OWARI、The Mirraz、髭、クラムボン、THE NOVEMBERS等も。画期的だったamazarashiのライヴレポも、映画「モテキ」対談も謎が話題の宇宙人も、MAGIC PARTY×カジヒデキ×ヒダカトオル対談も、ふくろうず・内田万里の新連載も。今回も音楽雑誌からぬ広さと深さで既成枠突破!

  MARQUEE バックナンバーはコチラ
  MARQUEE Webはコチラから!





関連記事