<全国高校野球選手権:甲子園練習>◇2日

 本番前で助かった!?

 第93回全国高校野球選手権(6日開幕)に出場する北北海道代表・白樺学園が、甲子園練習に臨んだ。4番の岡田直也一塁手(3年)が、フリー打撃で左肘に死球を受けて病院へ直行。5年前の初出場時は正捕手が骨折するアクシデントに見舞われたが、幸いにも打撲で大事に至らなかった。ナインは球場の特徴などを把握し、甲子園初勝利へ準備完了。今日3日は組み合わせ抽選会が行われる。

 楽しみにしていた舞台で思わぬ事態が起きた。白樺学園の主砲・岡田は、1打席限定のフリー打撃で1度もバットを振ることができなかった。初球が左肘を直撃。あまりの痛みに、すぐさまベンチへ下がった。「ちょっと残念です」。苦痛の表情を浮かべながら、球場近くの尼崎市内の病院に直行した。甲子園練習を終えたチームは西宮市内へ移動し、再び練習しながら検査結果を待った。

 医師の診断は打撲。骨には異常がなかった。結果を聞いた大内康至部長(31)は「よかったぁ」と安堵(あんど)の声を響かせ、胸をなで下ろした。戸出直樹監督(35)も「大したことはないと思います。あいつは弱虫なので」と冗談交じりに話した。初出場の06年は、開幕戦(対高知商)直前の守備練習中に正捕手が骨折して戦線離脱。苦い経験をしているだけに、大事に至らなかったことが素直にうれしかった。

 公式練習とはいえ、岡田の甲子園で大アーチを描く夢は本番に持ち越された。「打ちたかったですね。でも、だいぶイメージは湧きました」。打撃が売りのチームにとって、4番を欠くことになれば一大事だった。北北海道では4試合中、3試合で初回に打点をマーク。持ち前の勝負強さを発揮し、チームを流れに乗せてきた。打撲程度のアクシデントで、打線の大黒柱がひるむことはない。

 前日1日は午後9時すぎに大阪の宿舎に入り、この日は午前5時半に甲子園へ出発。暑さで疲労も感じる中、戸出監督は練習前に1つだけ指示を出した。「雰囲気を楽しみなさい」。内野手はバウンドの跳ね方など土の特徴を、外野陣はフェンスまでの距離感などを確認した。甲子園を楽しみながら、試合のイメージもしっかり膨らませた。ヒヤリはあったが、準備は整った。【木下大輔】