東芝の不正会計巡る訴訟、海外の実質株主「除外」に波紋
2015年に不正会計問題が発覚した東芝に対し有価証券報告書の虚偽記載などによる株価下落で損失を被ったとする投資家らが損害賠償を求めた訴訟で、23年12月の東京地裁判決が波紋を呼んでいる。判決は、「実質株主」は原告として訴訟を起こせないと指摘。海外の投資家に「米国などと相反する判断だ」と反発の声も上がる。 この裁判は海外の機関投資家などが東芝に計約572億円の損害賠償を求めていたもので、判決は東芝…
三菱自動車の軽自動車「デリカミニ」の売れ行きが好調だ。販売台数は2023年5月の発売から10カ月で年間目標の3万台を上回った。立役者がオリジナルキャラクターの「デリ丸。」。発売前にキャラ人気が先行して女性客の支持を集め、ヒットを呼び寄せた。誕生の背景には国内商品戦略部を起点に、ベテラン社員たちの連携プレーがあった。 23年10月、多くの来場客でにぎわうジャパンモビリティショーの一角に行列ができて…
劇場、DVD、動画配信だけでは足りない――。第4の映画流通として「DVT（デジタル・ビデオ・トレーディング）」が登場した。購入者はサイト上で再販売やレンタルが可能。収益の一部が制作者に分配されるのが特徴だ。第1作は世界的に有名な黒沢清監督の劇場未公開作品。関係者たちはなぜ、新たな流通ルートを切り開くのか。 日本時間12日午後7時、黒沢監督の最新作「Chime」が世界で同時発売された。その販売ルー…
日産自動車はSUV（多目的スポーツ車）タイプの電気自動車（EV）「アリア」に新たなモデルを投入した。既に販売している標準モデルより航続距離が4割伸びた。6月にはスポーツ車仕様に施したタイプも発売する。アリアはこれまで半導体不足や塗装工程の問題で生産販売が出遅れていたが、モデル拡充で巻き返しを狙う。 新たに「B9」モデルを発売した。搭載電池の容量は標準モデル「B6」から38%増の91キロワット時と…
野菜の種苗を開発・販売するナコス（津市）が地元をブロッコリー産地に育てようと、自社栽培の農地を拡張している。数年かけて農地を4割増やし、まず10ヘクタールの営農を目指す。三重県内を中心に販売しながら、ブロッコリーを生かした独自開発の野菜も生産し、市場で存在感を打ち出す。 同社は7ヘクタールの農地で、ブロッコリーのほかレタス、トウモロコシ、ニンジン、ダイコンを生産している。農地に建てたハウスではセ…
コンビニエンスストア各社が障害のある人が使いやすい店作りを進めている。ファミリーマートは手話ができることを店員の名札で示す実証を開始。ローソンは買い物の援助に関する規定を聴覚障害者らにも広げた。1日に改正障害者差別解消法が施行され、障害のある人が店舗などを利用しやすいよう配慮することが義務付けられたことに対応する。 ファミマは1日から新宿スポーツセンター店（東京・新宿）で、店舗の従業員が手話など…
東京地下鉄（東京メトロ）がスケートボードパークを開業した。鉄道の高架下の遊休地を使い、初心者から中級者向けの教室も開く。スケートボードは騒音問題につながりやすいが、高架下にパークを設けたことで騒音が気になりにくい。これまで活用が難しかった高架下の土地を有効活用し、収益化に向けて新規事業に挑む。 南千住駅（東京・荒川）から徒歩約1分の場所に、スケートボードパーク「RAMP ZERO（ランプゼロ）」…
【ニューヨーク=朝田賢治、ロンドン=湯前宗太郎】世界の高級ブランドの業績が曲がり角を迎えている。最大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンなど2社が2024年1〜3月期決算で減収に転じた。中国の景気減速に加え、米国と欧州でも新型コロナウイルス禍の収束以降続いてきた急成長にブレーキがかかった。各社は商品戦略の見直しを迫られそうだ。 26日までに、株式を上場している主要高級ブランド企業のうち5社が…
米投資ファンドのカーライル・グループが、日本KFCホールディングス（HD）を買収する方向で最終調整に入った。KFCは強いブランドを持ち収益性は高水準だが、株価は低位に甘んじる。背景にあるのは唐揚げなど鶏肉（チキン）商品を拡充するコンビニエンスストアとの競争激化だ。ファンド傘下で再出発することになる「チキン」レースでは再び優位に立てるか。 日本KFCを巡っては三菱商事が保有株の売却先を選定しており…
「世界初の完全没入体験のテーマパーク」という「イマーシブ・フォート東京」（東京・江東）が開業して間もなく2カ月になる。日経MJは出だしの評価を探るべく、来場者に星3つを「期待通りの満足」として5点満点で尋ねたところ、結果は「3.5」。「イマーシブ（没入）」が消費者に支持されるための鍵は何か。他施設の満足度も調査し、消費者計117人の声から探った。 イマーシブ・フォート東京は観客が物語の世界に入り…
ワコールは今、組織改革の真っただ中だ。2023年4月から販売、商品、マーケティングの3つを軸とする新体制に移行、社長直轄の部署横断組織「マーケティング会議」を新設した。これをベースに24年4月にも組織を再編。ブランドマネジメントとマーケティングの体制強化を急ぐ。同社執行役員マーケティング本部長の篠塚厚子氏は、次代に向けた組織をつくる上で、「ブランドが目指すものは何か。それを実現するために必要な能…
