<阪神9-1中日>◇27日◇甲子園

 ついにデッドラインを超えた。落合竜が守備の乱れで阪神に大敗。首位ヤクルトとのゲーム差が9となり、過去のデータ上、逆転不可能となってしまった。4連敗で今季最多タイの借金4。追い込まれた中日落合博満監督(57)は表情こそ淡々としていたが、口を突く言葉には珍しく嘆きも含まれていた。

 「経験を重ねてくれればいいんだけど…。若いのに体力がないな。野球の体力が。ベテランでも体力のあるやつはいる」。

 悩みは貧打だけにとどまらない。自慢の守備まで乱れた。1点を先制した直後の初回無死一塁から一、二塁間へのゴロを捕った荒木が二塁封殺を狙うも、野選となり逆に傷口を広げ、同点とされた。

 4回には一塁グスマンが鳥谷のゴロをはじいたのをきっかけに勝ち越され、遊撃岩崎達も正面のゴロをはじくタイムリー失策。指揮官は試合途中で小山と岩崎達を交代させた。主力の故障もあって1軍経験の少ないメンバーで戦ってきたが、プレーの質が維持できないことを指摘した。

 「いろいろな選手を使えておもしろいじゃん。明日またメンバー変わるかもしれないしな。使い続けるのも1つの方法論。でも、結果が伴わないのに出続けていい世界でもない。だから競争させるんだ」。

 落合監督は最後に開き直ったように笑い、メンバーのてこ入れを示唆した。連覇のためには、球団史上最大の逆転劇を起こすしかない。瀕死(ひんし)のチームにオレ流の起爆剤が投入されるのか。【鈴木忠平】

 ▼中日の逆転優勝

 88年と昨年の2度、8ゲーム差を逆転して優勝している。昨年は6月29日に8ゲーム差をつけられながら9月10日に首位に浮上した。また94年には10・5ゲーム差をひっくり返し一時首位に立ったこともあるが、最終的に2位に終わった。