落合竜が若い力で再出発する。27日、伊藤準規投手(20)と岩田慎司投手(24)の2人が横浜スタジアムでの1軍練習に合流した。リーグ再開直後のカードは広島に負け越し、先発陣にも故障者が出たが、ここから投手王国の底力を発揮する。2人は横浜3連戦中に登板する可能性も十分。自慢の“先発力”で再び首位ヤクルトを追撃する。

 投手王国の底力を見せる時がきた。リーグ再開最初のカードは敵地で広島に1勝2敗と負け越し。ネルソン、吉見、チェンの3本柱で予想外の結果だった。その上、この日までに中田賢の長期離脱が決定的となった。普通なら暗雲が漂うところだが、先発陣の質と量で他球団を圧倒するオレ竜はどたばたしない。最下位横浜をたたくべく、この日、横浜スタジアムに2人の若い力が合流した。

 「(2軍で)いい結果を出していれば呼んでもらえると思っていました。いい真っすぐが投げられるようになったので、どんどん押していきたい」。さわやかな笑顔を見せたのは3年目伊藤だ。186センチ、72キロというモデルばりの長身に、甘いマスクのイケメン右腕は昨季、開幕ローテに入ったが、故障もあってわずか1勝に終わった。その後のフォーム修正など2軍での苦しい練習期間が続いた。今季はウエスタンで8試合に登板して2勝2敗、防御率2・17。成果を見せる時がついにやってきた。

 さらには、同じ3年目の岩田も合流した。「投げるかどうかわかりませんが、投げたらいい投球ができるようにしたい。横浜は前に1度やられているんで…」。岩田は今季、4月12日からの横浜との開幕カード3戦目に先発したが、4回1/3を6失点でKOされた。その後、2軍落ちし、ウエスタンで9試合、3勝2敗、防御率2・76という結果ではい上がってきた。横浜については多くを語らなかったが、雪辱のマウンドに立ちたいという思いは胸に秘めているはずだ。

 きょう第1戦は川井の先発が予想されるが、第2戦、第3戦は1軍に合流したばかりの2人に託される可能性は十分にある。落合竜のすごみは2軍には朝倉、山内らが1軍昇格できる状態でスタンバイしていること。6連戦が始まる中で層の厚さを見せつける。伊藤、岩田は合わせて通算2勝だが、伸びしろは無限大。投手王国の未来を担う若い力でチームは再浮上をはかる。【鈴木忠平】