勉強の一夜漬けが記憶に残らないメカニズムが解明される!

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    勉強の一夜漬けが記憶に残らないメカニズムが解明される!

    テスト前の勉強が間に合わず、一夜漬けのお世話になったという人、ギズ読者の皆さんの中にも、きっといますよね。

    一夜漬けで、いっぱい詰め込んだ記憶が頭からこぼれ落ちることがないように、必死でテストに臨んでいたんじゃないでしょうか。

    一夜漬けのおかげでその場を乗り切っても、1週間も経てば何を勉強していたのか思い出せないなんて経験もあるんじゃないかと思います。ホント、一夜漬けの記憶って、あっという間に消えてしまうんですよね。

    さて、そんな一夜漬けをこよなく愛した皆さんの経験を裏付ける実験結果が、理化学研究所から発表されました。

    実験の成果をまとめると...

    集中学習(一夜漬けなど、休憩を挟まないで行う長時間の学習)の記憶は小脳皮質に保持

    分散学習(適度に休憩をはさんで行う短時間の学習)の記憶は小脳核に保持

    ・休憩中に小脳皮質のプルキンエ細胞で作られるタンパク質が長期記憶に必要

    →学習の記憶が小脳の中でどのようにして長期記憶として保持されるのかを分子レベルで特定し、分散学習と集中学習で脳の中で、記憶を保持する場所が異なることが分かる。分散学習の方が集中学習よりも、学習効果があることが分かる。

    結局のところ、既に経験に裏付けられているような、一夜漬けよりも休憩を挟んで勉強した方が長く記憶に残る...っていうことが、実験で明らかになった訳ですね。

    今後、期待されることとして、以下の2点があるようです。

    ・子供の頃に覚えた記憶(自転車の乗り方、泳ぎ方、楽器の演奏など)がどのようにして保持されているのかを解明できるかもしれないこと

    ・記憶を固定化し、長期記憶にするために必要なタンパク質を特定することができれば、記憶障害を伴う病気の治療に大いに役立つこと

    2つ目の研究が更に進めば、記憶を促進するようなサプリメントや、誰もが夢にまで見た睡眠学習装置が21世紀中に登場しちゃったりするかも知れないですね!

    運動学習の記憶を長持ちさせるには適度な休憩が必要[理化学研究所]

    (KENTA)