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「東京スカイツリーになっちゃう!?」簡単そうに見えて奥深い『けんちく体操』

kenchikutaiso.jpg『けんちく体操』(エクスナレッジ)

 来年5月から公開される東京スカイツリーの展望台の入場料が発表されたが、第1展望台、第2展望台合わせて3,000円という高価な設定に、「ぼったくりだ!」という声が上がっている。確かに一度くらいは登ってみたいけど、3,000円は高すぎるだろ、という方に一読していただきたいのが、『けんちく体操』(エクスナレッジ)だ。

 そもそも「けんちく体操」とはなんなのか。本書の最初のページには「建築物を模写する体操」とあるが、言葉だけではいまひとつピンとこない。 

 というわけで、写真を見てみると、スポーツウエアに身を包んだ男女が、真顔でさまざまなポーズを取っている。

 例えば、表紙の足を大きく開いて立ち、頭の上で両手をそろえて立つポーズは、「東京タワー」の「けんちく体操」だ。

yukiguni.jpgまつだい雪国農耕文化村センター(本書より/以下同)

 「なるほど、建築物をマネしてみればいいわけね」と簡単に思うなかれ。東京タワーは、本書の中でも極めてシンプルな部類の体操だ。ほかにも、足を開いて膝を90度に曲げ、腰を太ももが地面と平行になる位置まで落として、手の指先をちょこんと屋根のように頭の上で合わせる「国会議事堂」、足を地面に伸ばし、上体を地面と垂直に立てて座る「早稲田大学大隈記念講堂」など、一人で簡単に行えるものもあるが、「けんちく体操」はそれだけにとどまらない。

parutenon.jpgパルテノン神殿

 「パルテノン神殿」は前屈のような格好で並ぶ2人の男性の上に、女性が「くの字」のうつ伏せで乗るアクロバティックなポーズだし、「シンデレラ城」では6人、「シドニー・オペラハウス」は9人の老若男女が身長に合わせて配置され、それぞれ指先まで神経を行き渡らせその建築物を模したポーズを取っている。無駄に大変そうなのだ。

 はっきり言って第一印象は「何やってんの、この人たち」だが、よく考えればヨガにも似たようなポーズがあり、「バランス感覚を養える」「ストレッチ効果が期待できる」「内臓を刺激する」などといった健康効果があると書いているのだから、この「けんちく体操」もただの変なポーズだとは言い切れない。

fujitv_taiso.jpgフジテレビ本社

 さらに、建築物の外観をマネるだけではなく、構造や用途、個人的に抱いた第一印象までをも表現するという舞踏のような側面も「けんちく体操」の醍醐味だそうで、これは、かなりクリエーティブな試みと言えよう。また、2人以上で行うものは、ほかの人と位置や高さを調節するなど、協調性やコミュニケーション力も必要とされる。バカバカしそうに見えて、その実なかなか奥が深いのだ。

 冒頭で触れた「東京スカイツリー」のポーズは、本書の一番最後に掲載されている。これは2人で行うポーズ。カップル、親子、友人同士で挑戦できる。

 3,000円払って展望台へ行くのをためらっている人は、来年5月の公開まで間もあることだし、まずは「けんちく体操」で東京スカイツリーに「なってみる」のはいかがだろうか。
(文=萌えしゃン)

●けんちく体操公式HP<http://kenchiku-taiso.com/>

けんちく体操

モジモジくんみたい。

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最終更新:2013/09/12 21:24
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