<中日0-2日本ハム>◇25日◇ナゴヤドーム

 本拠地ナゴヤドームで竜のプライドが引き裂かれた。緩急を自在に操る日本ハム・ダルビッシュに苦しめられ9回を散発4安打。12試合ぶりに無得点に終わった。今季5度目の完封負けで二塁に走者を進めたのも1回の1度だけ。インタビュー室に姿を見せた落合博満監督(57)は、苦笑いを浮かべてこう言うしかなかった。

 「さあ、また同じフレーズを使うぞ。年に何回かはある。そういうことだ」。

 象徴的だったのは主砲和田だ。1回2死二塁で150キロ超の直球2連発に2ストライクと追い込まれる。最後は外角スライダーにバットが空を切った。多彩な変化球に翻弄(ほんろう)されて、08年以来の1試合3三振。9回2死から一邪飛に仕留められ最後の打者となったのも4番だった。

 「初回に三振したのがね。トラ(荒木)があそこで出てくれて三振したのがね…。ダルビッシュ?

 日本でナンバーワンのピッチャーだから」。

 勝っていれば3連勝と波に乗るはずだったが、ぐうの音も出ない完封負け。これで交流戦、対ダルビッシュの通算チーム打率は1割8分1厘となった。天敵とは来月の札幌でも対戦する可能性がある。相手が悪かったとあきらめては、何も始まらない。こんな負け方、年に何度もあってはならない。【桝井聡】