口永良部島 噴火の可能性 予知連 火山性地震が多発、古岳火口付近にわずかな膨張

 2023/07/12 21:48
〈資料写真〉口永良部島・新岳
〈資料写真〉口永良部島・新岳
 火山噴火予知連絡会(会長・清水洋九州大名誉教授)は12日、定例会を開き全国の活火山の状況を評価した。6月27日に噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられた鹿児島県屋久島町・口永良部島については、火山活動が高まり新岳と古岳の火口周辺で噴火の可能性があるとした。

 7月7日に警戒レベルを2(火口周辺規制)に引き上げた霧島連山えびの高原・硫黄山については、火口から1キロの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性があるとの見解を示した。硫黄山は山体浅部に膨張の傾向がみられていた中、火山性微動が同日発生した。

 鹿児島地方気象台によると、口永良部での火山性地震は11日に276回、12日は午後3時までに172回発生。火山ガスの放出量に大きな変化はない。観測衛星「だいち2号」の合成開口レーダー(SAR)で古岳火口付近でわずかな膨張を示すデータも観測された。

 硫黄山では7日以降、火山性微動は発生していない。気象庁は11日、機動調査班を派遣し現地調査を行った。硫黄山南側で活発な噴気活動を確認したが、付近の地熱域に変化はなかった。