「県の考えがよく分からない」 馬毛島基地巡る協議会、知事表明から8カ月たっても設置めど立たず

 2023/07/12 18:01
馬毛島(資料写真)
馬毛島(資料写真)
 鹿児島県西之表市馬毛島の自衛隊基地整備で県と地元自治体が意見交換する協議会を巡り、基地本体の着工から半年たっても設置のめどが立っていない。種子島3首長の整備や協議会の考え方の相違が解消していないためとみられる。

 協議会は塩田康一知事が昨年11月、設置する考えを示した。県総合政策課によると、知事と西之表市長、中種子、南種子両町長が参加し、地元の要請を受けた国の対応を確認したり、課題への対策を議論したりする方針だ。

 今年1月の基地本体着工後、塩田知事は「できるだけ早く検討を進めたい」と述べていた。同課は「各市町の参加の意向が示されれば設置できる。基地運用開始後も必要と考えており、働きかけを続けている」と説明する。

 一方、3市町によると、県から設置の正式な要請はまだない。中種子、南種子両町からは「西之表市長が計画の賛否表明をしない中での協議は難しい」「連携がどういう形になるかは首長同士のやりとり次第」との声が上がる。

 着工後は県と3市町の担当者による連絡会を2~3カ月に1回程度開催。工事の影響や対策を共有している。南種子町は問題発生時に防衛省に直接連絡する体制を築いているといい、「今の状況に対応できている。(協議会について)県が中身をどう考えているのかよく分からない」と苦言を呈した。