みんなで海へ…徳之島でオカヤドカリが繁殖期迎える

 2023/07/11 21:08
夜を待ち、幼生放出のため海岸へと向かうオカヤドカリ=徳之島町金見の通称「マサキ浜」
夜を待ち、幼生放出のため海岸へと向かうオカヤドカリ=徳之島町金見の通称「マサキ浜」
 徳之島北東端の金見崎の海岸(鹿児島県徳之島町)で、国指定天然記念物のオカヤドカリが繁殖期を迎えている。4日夜はメスが集団で海に向かい、波打ち際で「ゾエア」と呼ばれる孵化(ふか)直後の幼生を放っていた。毎年、梅雨明けごろから7月下旬ごろまで続く徳之島の夏の風物詩。

 オカヤドカリは奄美群島や沖縄などに生息。左側のハサミ脚が大きい。雑食性で、昼は海岸近くの草むらなどに身を隠し、夜に砂浜や水辺で活動する。徳之島では、大型のムラサキオカヤドカリ、小型のナキオカヤドカリを含めて3種が見られる。

 奄美群島認定エコツアーガイドで、金見地区の海の生き物に詳しい元田浩三さん(69)は「懐中電灯で足元を照らし、踏まないよう気をつけながら観察して」と話す。