歌う税務署長 離任前に惜別の歌を自作 種子島の景色や人情 歌詞に込め トークのうまさは同級生・内村光良さんの影響?

 2023/07/10 18:04
惜別の思いを込めて熱唱する東龍一郎署長(右)=西之表市西町
惜別の思いを込めて熱唱する東龍一郎署長(右)=西之表市西町
 この町の思い出が僕を支え続けるだろう-。7日夜、さみしげなメロディーが西之表市の酒場に響いた。歌い手は「higaryu(ひがりゅう)」こと、種子島税務署の東龍一郎署長(58)。11日の転出を前に、種子島で過ごした2年間を歌に込めた。「景色の美しさや人の温かさを忘れない」と名残惜しそうだ。

 曲名は「想い出は輝きとともに」。仕事終わりに同市住吉に車を走らせ、馬毛島に沈む夕日や星空を眺めながら疲れを癒やしたこと、目に留まった風景、知り合った人たちの優しさなどを歌詞に盛り込んだ。

 4分半の大作で、動画配信サイト「You Tube」で公開している。

 熊本県人吉市出身。カーペンターズや松山千春さんのフォークソングに憧れ、中学2年の時に独学でギターを始めた。

 熊本商科大学(現熊本学園大学)で「モダンフォーク同好会」に入り、ギター一筋の厳しい先輩の指導の下、腕を磨いた。

 熊本国税局では、税金の大切さを啓発する「税は思いやり」を作曲し、国税庁ホームページで紹介されたことがある。トークもうまいのは、人吉高校の同学年にお笑い芸人の内村光良さんがいたからか。

 ギターの腕前は管内の種子・屋久で知られ、人柄の良さもあって各地のイベントにひっぱりだこだった。その功績から種子島観光協会の「種子島観光大使」に任命された東さん。「きっとまたいつか来るだろう。ずっとこのまま優しい町でありますように」と歌声を響かせた。