近年、世界情勢は一変しました。良いものを作れば世界で売れるというのは昔の話です。一人ひとりが生活の向上を目指す、いわゆる「モノ」の時代においては、よい自動車やよい電化製品などを作れば世界で売れました。ところが今は「物語、ストーリー」の時代です。SDGsなどの「取り組むべきこと」や「やってはいけないこと」を説得力のあるストーリーとしてまとめ、その文脈に合致するモノを作り、行動変容を促すことが大切となっています。知識の蓄積に加えて、正しいストーリー、心に響く「演説」をする力が問われていきます。
最近、慶應義塾はREADYFOR株式会社と業務提携を開始しました。従来のご寄付等に加えて、教職員や研究者、そして体育会の「ストーリー」を支援していただける方々を慶應義塾公認のクラウドファンディングという形で募るためです。
クラウドファンディングではインターネットを通じて広く情報を共有することができます。これにより、普段から慶應義塾をご支援くださる方々に加えて、教職員や研究者、体育会活動の「ストーリー」を応援いただく機会が生まれます。また、より多くの方々がSNSやメールなどのネットワークを通じて、友人や知人に呼びかける波及効果が期待できます。
クラウドファンディングでは、ご支援くださる方々に対してプロジェクトの進捗状況をリアルタイムで共有することができます。これにより、支援者がどのように役立っているかを実感できます。支援者が応援等のコメントを投稿し、プロジェクトの実施主体とのコミュニケーションを深めることもできます。慶應義塾公認クラウドファンディングで最初のプロジェクトとなった「基礎・臨床融合による神経難病研究:ALS克服に向けた研究の加速を」(慶應義塾大学医学部生理学教室 教授 岡野栄之、担当 特任講師 森本悟)では、岡野教授がお一人おひとりに対してメッセージをお返しています。
そう、クラウドファンディングの最大の特徴は、研究者がプロジェクトや研究を社会に広く知らしめることによって、どのように受け取られるのかを認識し、応援して下さる皆様のご期待にお応えするという好循環を促せることです。
皆様からのご支援により、さらなる教育・研究・医療、そして体育会の発展に資することが可能になります。慶應義塾が日本での発展に貢献したスポーツも多く、1924年に世界で初めて設置された空手部もクラウドファンディングを開始しました。今後もとてもユニークな研究分野や全国そして世界へ羽ばたく体育会のストーリーが展開されますので、READYFOR株式会社のプラットフォームを通じて、慶應義塾の社会的課題解決へのストーリーや活動をご理解いただき広めていただければ幸いです。皆様の温かいご支援ご理解に心より感謝申し上げます。
■慶應義塾公認・クラウドファンディング特設ページ