海底の神秘! 愛のミステリーサークル出現 正体はアマミホシゾラフグの…

 2023/06/05 21:28
アマミホシゾラフグの産卵床=5月31日、瀬戸内町清水(興克樹さん提供)
アマミホシゾラフグの産卵床=5月31日、瀬戸内町清水(興克樹さん提供)
 鹿児島県の奄美大島と加計呂麻島の間の大島海峡で、アマミホシゾラフグが繁殖期に入っている。海底の白い砂地に、直径約2メートルの同心円の産卵床が神秘的に浮かび上がり、雌と雄が寄り添う。

 奄美海洋生物研究会の興克樹会長(52)=奄美市名瀬=が5月31日、瀬戸内町清水の沖合約200メートル、水深25メートル付近で確認した。

 産卵床は土手状の二重円構造。放射状の波模様もあり、ミステリーサークルとも呼ばれる。雄がひれで砂地をかき分けて作る。卵と精子を放出しやすいよう、中心部に細かい砂を集め平らにし、貝殻などを回りに積み上げる。奄美大島近海でしか見つかっていない。

 アマミホシゾラフグは体長10~15センチ。2014年に新種と確認された。興会長は「生物の多様性だけでなく、波が穏やかで産卵に適した海域がある奄美の環境多様性も象徴している」と話した。