Fri 230303 春が早すぎる/「わろし」実感/小倉の大盛況/新幹線、合計7時間 4330回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 230303 春が早すぎる/「わろし」実感/小倉の大盛況/新幹線、合計7時間 4330回

 いちおう今日は「桃の節句」であり「お雛さまの日」であり「女のコの日」であるわけだから、ブログ写真のほうもそのへんのことを考えて、冒頭から3枚は美しいお雛さまのものを掲載する。

 

 ただしこういうのも、どんどん廃れていくんじゃないか。大好きな作家ロアルド・ダールの作品から、「ladies & gentlemen」も排除、「mother & father」も排除、それぞれ性別を意識しなくて済む「folks」と「parents」に書き換えられるんだそうな。大学受験用の英単語集なんかも、だんだんそういう方向にいくんだろうか。

 (お雛さま、京都駅前ホテルグランヴィアのロビーにて 1)

 

 このお雛さまは、2月上旬、京都駅前ホテルグランヴィアのロビーに飾られていたもの。ワタクシの京都宿泊は、今は大好きな宝ヶ池のプリンスホテルだし、ちょっと前までは御所西のブライトンホテル、そのまた前は東山・南禅寺至近のウェスティンだったから、グランヴィアとは余り縁がない。

 

 そもそもグランヴィアは横に広すぎて、チェックインしたあとで部屋まで歩く距離があまりにも長い。エスカレーターで部屋のフロアに上がってから、まだ私鉄の一駅分は歩かなきゃいけないぐらいの感覚だ。

 

 出張の連続で疲れている時なんかは、この疲労感が実に重たい。どんなことでも同じだけれども、「あとホンの少し」と気を緩めてから先が実はたいへんなので、広大なホテルのフロアを、いくつも&いくつも角を曲がって歩かされるのは、マコトにツラいものである。

 

 他にも、京都グランヴィアにはいろいろワタクシの苦手なものがあって、早朝から京都駅のアナウンスがガンガン鳴り響いてうるさいのと、タオルや寝具の洗剤のニオイがちょっときつくてイヤなのと、まあ諸君、人というものはどこまでもワガママに出来ている。

 (お雛さま、京都駅前ホテルグランヴィアのロビーにて 2)

 

 それでもやっぱり、駅前にこんな大きくて立派なホテルがあれば、宿泊以外にもいろんな用途に使えて便利この上ない。ホテル内の天ぷら屋さんはこの15年ずいぶん利用させてもらったし、その側のホテルショップで「長刀鉾」の模型を購入したりもした。祇園祭の帰りの日だった。

 

 だから決してキライなホテルではないのだ。何しろ京都の入口であり出口でもある。京都出張であっても意地でもヒコーキを利用していた3〜4年前までならいざ知らず、京都の記憶のほとんどはこの駅直結のホテルと結びついている。

 

 だから今は、じっと黙って諸問題の改善を待つばかりだ。エレベーターから部屋までの距離はどうにもならないが、駅の騒音や、洗剤のニオイのことなら、誰かが気づいて改善に努めてくれる時がくるかも知れない。

 

 とはいうものの、今のワタクシはどうしても宝ヶ池プリンスがいい。宝ヶ池に宿泊するようになってから、静かな洛北の散策が大好きになって、一昨年も昨年も、散策は今出川通りから南に下がらなくなった。鞍馬口通り、北大路通り、北山通り、松ヶ崎、その辺を何の目的もなく行ったり来たり、そういう散策がたまらない。

(コドモ時代の今井君は、この「ひしもち」と言ふものに熱い憧れをいだいた)

 

 ところで諸君、この1週間ばかり、日本中こんなに暖かくていいんだろうか。

 

 天気予報士の皆さまが「4月中旬並みの暖かさです」とぐっと表情を緩めるのは構わないし、相手役の女子アナが「もうすぐ春ですねぇ」とニッコリするのも悪くないが、冬好きの今井君なんかは、そんなにカンタンに春なんかになってもらっては困るのである。

 

 何度も繰り返すが「ぬるく、ゆるびもてゆけば、わろし」なのである。清少納言が「冬はつとめて」とおっしゃったのは、ある冬の1日のことだけを示しているのではなくて、季節の移りかわり全体を視野に入れているというのがワタクシの意見だ。

 

 つまり「2月になりて、ぬるくゆるびもてゆけば、わろし」「3月になりて、ますますゆるくゆるびもてゆけば、もっともっとわろし」なのであって、最近の1週間2週間、日本人みんなの表情もまた、気温の上昇とともにどんどんぬるくゆるびもてゆけば、「わろし!!」「非常にわろし!!」と感じる。

(遥かな昔の「The New Yorker」表紙イラスト。どこのホテルだったか、人通りの少ない寂しい廊下に飾られていた。ペンとインク瓶、こういう時代に生きたかった。インク瓶の中の星座もいいし、インクの色もキレイじゃないか)

 

 こりゃ絶対に、温暖化の急速な進行の現れだ。あんまり「わろし!!」なので、何だか致命的、何だか「もう取り返しがつかない」「もう後戻り不能」なぐらい、「わろし!!」が進んでしまった気がする。

 

 今井君の親知らずなら、思い切り力を込めて抜歯しちゃえば済むけれども、温暖化という強烈な虫歯は、大学病院で抜歯して終わりに出来るようなものではない。

 

 これじゃ、もうすぐ梅も終わりになる。ワタクシは3月上旬に2日間ほど京都に出かけ、城南宮の枝垂れ梅と北野天満宮の紅梅&白梅を満喫する予定であるが、間に合うかどうか微妙なところ。奈良のお水取りも終わらないうちに、城南宮の枝垂れ梅が終わりになるなんて、事態はあまりにも「わろし!!」である。

    (小倉の公開授業会場にて。おお、キレイだ)

 

 桜の花も早そうだ。ワタクシのコドモ時代には、桜は入学式&入社式の頃に満開になるものだった。それは何も生まれ育った北国の秋田の話ではない。東京でも京都でも大阪でも、桜は入学式&入社式に合わせて咲くもの、新入社員の初仕事は「花見の場所取り」と決まっていた。

 

 それがいつの間にか、桜どんたちは卒業式に合わせて満開になるようになった。東京なら、武道館で卒業式があって涙&涙、卒業生一同そのまま集団で千鳥ヶ淵を散策なさる。散りそめのピンクの花弁が、厚塗り女子の涙に濡れたお顔にたくさん貼りついて、まあそれもまた一興だった。

 

 しかしそれもまた間もなく「今は昔」の話になりそうだ。卒業式前に「桜がみんな散ってしまいました」などということになると、いやはや何とも興醒めであって、入社式前に退職願を書き上げちゃったようなもの、合格発表前に浪人を決断しちゃったような話、何でもかんでも早すぎる。

    (小倉の大盛況。230名もの出席者に恵まれた)

 

 ワタクシは、やっぱり「冬はつとめて」のキリキリ&キリッとした緊張感がいい。暖かすぎて、サバもイワシもみんな傷みかけ、塩をきかせたニラミ鯛にさえほのかな腐臭が漂いだす、そんな「わろし!!」な日々は願い下げだ。

 

 スキー場の雪もシャーベット状になり、そこいら中にツクシがニョキニョキ、杉の林からモクモク濃厚な花粉の雲が湧いて、いろんな黒いムンムがぶんぶん飛び始めるなんて、そんな光景はキライだ。ワタクシは1月が一番好き、次は12月。金メダルが1月、銀メダルが12月、銅メダルは11月と2月で分け合って、3位決定戦は行わないことにする。

(小倉のお土産、チョコ製のネジたち。ピンクはストロベリー味、黄色はバナナ味。ネジは、マコトに正確にビシッと締まる 1)

 

 だから1月29日、福岡県小倉での公開授業の頃、今井君はマコトに幸せだった。来る日も来る日も「最低気温は東京都心でも0℃を下回るでしょう」「水道管の凍結にお気をつけください」という緊張の世界なら、イワシもサバも鯛も、腐敗の心配なんか全く必要なかった。

 

 冷蔵庫の電気代だって、大いに助かっていた。ビールもジュースもミネラルウォーターも、階下の廊下に放置しておけば、それだけで冷蔵庫より冷たくなった。廊下に放置して凍りかけたミカンほど旨いミカンはない。吹雪のゲレンデでミカンを口に入れてみたまえ、ワタクシの言う意味はすぐに分かると信じる。

 

 ただし諸君、驚くなかれ1月29日の今井君は、東京から小倉まで5時間近くかけ、新幹線で移動したのである。網膜剥離の手術を大成功させてくれた「都内屈指の隠れた名医」の指導で、手術から2ヶ月はヒコーキに乗ることを絶対に避けなければならなかった。

 

 一口に「5時間」というが、もしヒコーキなら、5時間あればハノイやホーチミンやシンガポールを目指せるほどの長い旅だ。グリーン車の座席に収まり、駅で買ったお弁当をほじくり返して30分、新幹線はまだやっと小田原あたりを走行しているのだった。

(小倉のお土産、チョコ製のネジたち。ピンクはストロベリー味、黄色はバナナ味。ネジは、マコトに正確にビシッと締まる 2)

 

 しかしそれでもやっぱり大切なのは「基礎基本徹底」。どんなにもどかしくても、単語と熟語をしっかり記憶し、文法演習を徹底的に反復し、授業でカンペキに理解した長文を、繰り返し繰り返し音読する。

 

 結局はそれがベストの学習法であって、今井君も気がつけば名古屋、気がつけば京都、次に気がつけば大阪も神戸も過ぎて岡山、広島を過ぎればもう小倉まで1時間ちょいの道のりだった。諸君、基礎基本を徹底すれば、不可能に思えた難関大学合格も、びっくりするぐらい身近に近づいてくる。

 

 東京を出たのが朝9時すぎ、小倉に到着して14時前。小倉の公開授業は15時開始だから、いやはやワタクシはまさに「余裕で合格」したようなもの。基礎基本徹底ほど、目標達成へのラクなルートはないのである。

(北九州は、鉄の街だった。昨年の門司の旅でも、やっぱりチョコ製のネジをお土産にした)

 

 小倉の公開授業には、230名もの出席者があった。保護者の皆様も多数、たいへん積極的に出席してくださって、講師としてこれほど嬉しいことはない。保護者の年齢層は、まさにこの今井がかつて新人講師だった頃、ホントの初期に担当した生徒諸君の年齢層に重なる。

 

 だからむしろ保護者の皆さまのほうが、ワタクシの講演を強烈に楽しんでくれたような気もする。中には「むかしむかしナマで授業を受けてました」「サテラインで見てました」という人もいただろう。いやはやマコトに楽しい90分を過ごした。

 

 ただし、楽あれば苦あり。公開授業終了後のワタクシは、再び新幹線にとびのって、新大阪まで東進しなければならない。翌々日から大阪の京橋、兵庫県の西宮・豊岡・神戸三宮で公開授業が続く。小倉とか福岡のホテルにゆっくり泊まって帰京、そういうノンキなスケジュールは組めないのだ。

 

 小倉から新大阪まで2時間半。朝の西行き新幹線と合計すると、この日は7時間も新幹線車内で過ごしたことになる。「小倉でゆっくり晩メシ」というスケジュールもまた夢のまた夢。大阪へ東進する新幹線車内で、再び駅弁をほじくり返すしかなかった。

 

1E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 9/10

2E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 10/10

3E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 1/6

4E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 2/6

5E(Cd) LET’S GROOVE

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