Mon 230227 空耳アワー愛惜/大徳寺で野口&樋口氏を思ふ/今井様、まかり通る 4328回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 230227 空耳アワー愛惜/大徳寺で野口&樋口氏を思ふ/今井様、まかり通る 4328回

「タモリ倶楽部」が終わってしまうんだという。さすがにタモリさんだって(確か)77歳だ、レギュラー長寿番組を担当し続ける気力だって体力だって、それなりに減退していくのかもしれない。

 

 しかし諸君、ワタクシはまだ大学受験生の頃から、タモリどんのオールナイトニッポンを笑い転げながら聴いていた世代。「昼のいこい」のコーナーとか、白鷺三味線のコーナーとか、そういうのに夢中になっているうちに、あっという間に夜が明けた。

 

 誰が何と言っても、「空耳アワー」だけは終わりにしてほしくない。どこか別の番組の中にでも移籍して、ずっとずっと、永遠に続けてほしいのだ。

(1月23日、京都府立植物園にて。カカオの実がたわわに実っていた 1)

 

 ずっと躊躇してきたが、ワタクシには「空耳アワー」投稿のためのマル秘素材を1曲隠しもっていて、虎視眈々と投稿チャンスをうかがっていた。何度も何度も「今度こそ思い切って」「今こそ勇気を奮い起こして」と、重い腰を上げかけた。

 

 しかし何しろその素材が「ロシア正教の聖歌」であるために、どうしても最後の最後で思いとどまってしまうのだった。仮にも、よその国の宗教の聖歌である。それをいくら何でも「空耳アワー」の素材にしていいものか、今井君ぐらいのしっかりした高級オジサマ♡になれば、それはさすがに躊躇する。

 

 だから、読者諸君の方で判断して、もし「このぐらいは大丈夫だろう」と考えるのであれば、ぜひ積極的に投稿してくれたまえ。番組終了が3月ということは、もし投稿するならここから4日か5日がギリギリ。3月10日ぐらいには収録も全て完了してしまう(んじゃないかな)。

 

 素材のCDタイトル「Russian Medieval Chant(The Divine Liturgy of St.John Chrysostom)」。超マジメで清らかこの上ないロシア正教のお坊さまたちが何十人も集まって、神様やキリスト様をほめたたえるお歌を1時間にわたって合唱する。ググって探して、聴いてみて、出来たら投稿していただきたい。

(1月23日、京都府立植物園にて。カカオの実がたわわに実っていた 2)

 

 素材となりそうな場面は、CDの中間あたり、日本人なら誰がどう聴いても「あれもイヤ、これもイヤ、あーれーもイヤぁ」と聞こえてしまう一節がある。そしてそれが延々と繰り返される。

 

「あれもイヤ、これもイヤ、あーれーもイヤぁ」

「あれもイヤ、これもイヤ、あーれーもイヤぁ」

「あれもイヤ、これもイヤ、あーれーもイヤぁ」

 

 マジメ一方のお坊さまたちが、これ以上マジメになれないほどマジメな声で「あれもイヤ、これもイヤ」と繰り返すから、「不謹慎だ」「不謹慎すぎる」と、頭と心ではハッキリ理解できていても、どうしても表情筋はシコタマゆるんでしまい、だらしなく「ニター」と緩んだ口元から長いヨダレの糸が垂れる。

 

 その笑いが「許されざる不謹慎」として排除されるかどうかは、そりゃ放送局側の判断に委ねるしかない。だって元はロシア語または中世東欧語のハレルヤコーラスなのだ。

(1月23日、京都府立植物園にて。コーヒーの実も、負けず劣らずたわわに実っていた)

 

 レストランのメニューを見ながら「あれもイヤ、これもイヤ」と激しく駄々をこねるコドモ。叱る母親と姉上。ところがコドモと全く同じ駄々をこねるパパ、叱るパパのママ(つまりオバーチャン)。ところがその背後で同じ駄々をこねるオジーチャン。そういう映像ではどうか。 

 

 困り果てる女3世代を尻目に、3世代の男子が「あれもイヤ、これもイヤ」と身をよじる。そのシーンにかぶせてお坊さまたちのマジメなハレルヤコーラス。うーん、やっぱり宗教関係者には叱られそうだ。

 

 しかしもしかして、読者諸君の中に思い切って投稿してくれる無鉄砲な人はいないだろうか。判断はあくまで放送局サイドに委ねるしかないんだから、こんなだらしないニタニタ笑いの素材を、今みすみす見逃す手はないじゃないか。

(1月23日、京都府立植物園にて。温室には「おサルの顔に見える」という不思議なランが開花していた)

 

 さて1月22日、網膜剥離の手術以来まるまる1ヶ月、東京のオウチの書斎に籠城していた今井どうする家康は、「そろそろこんな将来性ゼロの籠城をやめなくて、どうする?」と判断。単騎、勇猛果敢に城から討って出て、新幹線に飛び乗った。

 

 向かうは京都。「今井の殿はまたまた上洛めされたるぞ」と、巷の人々は今井の殿の京都好きを盛んに噂しあった(かもしれない)。朝の新幹線で、京都着11時。さっそく東山・青蓮院付近の店で湯豆腐定食に舌鼓を打ったことについては、前回の記事にすでに書いた。

 

 快晴の1日だったが、今から1ヶ月も前の大寒の頃のこと、午後2時を過ぎると、夕暮れの早い京都の気温は一気に下がってしまう。湯豆腐(と熱燗の日本酒)で温まった肉体に鞭を打ち、今井の殿はタクシーで大徳寺を目指した。

 

 大徳寺とか天龍寺とか妙心寺とか、塔頭の多いお寺を訪ねる時には、小銭をたっぷり用意していかないと、あっという間に小銭貧乏になる。あっちの塔頭で500円、こっちの塔頭で600円、「お抹茶がございますよ」という優しい笑顔に応じてしまうと、お抹茶とお菓子で800円、気がつけばオサイフには福沢諭吉どんグループしか残っていない。

(1月23日、京都府立植物園にて。「おサルの顔に見える」という不思議なランの名前は「ドラクラ ギガス」である。エクアドルからコロンビアの原産)

 

 この日の大徳寺では、初めて「黄梅院」を訪ねた。何しろ長い人生だ、大仙院を始めとして、大徳寺の石庭群はもう何となく暗記してしまうほど眺めてきたが、黄梅院は初体験。「拝観料1000円」、思い切って野口英世どん1枚を請求なさるところをみると、余程の自信がおありと見える。

 

 確かに黄梅院の庭園は広大であって、どこかの石庭みたいに、庭の向こうに幼稚園や駐車場の看板が見えたりすることもない。野口英世1枚分の価値は十分にある。あれれ、野口英世でよかったんだっけ? 夏目漱石や伊藤博文の時代を懐かしんでいるうちに、まもなく1000円札のキャラクターも代わってしまうらしい。

 

 そのまま黄梅院を心ゆくまで味わって、夕暮れ近く、大徳寺を後にした。まもなく北里柴三郎どんにバトンタッチする予定の野口英世どんの栄誉も、十分に讃えることができた。

(1月23日、京都府立植物園にて。「アアソウカイ」という奇想天外な名前に一驚を喫する)

 

 門前の店で「大徳寺納豆」を購入するかどうか迷ったが、我がオサイフの中には、すでに野口英世どんは1人もいない。ここで無理して大徳寺納豆を手に入れれば、大事な福沢諭吉センセ1枚を、野口英世センセ9枚(+ 硬貨数枚)に変身させることになるが、それがどうも面倒臭かった。

 

 いや、ここはもちろん樋口一葉さまにご登場を願ってもいい。聖徳太子 → 新渡戸稲造氏に続いて登場なさった樋口さま、何だかあんまり長い付き合いではなかった気がするが、こちらも、まもなく津田梅子さまに交代だ。この辺でしっかり「よく頑張りました」と挨拶しておいてもよさそうだ。

 

 何しろ今井君のキャッシュレス化はマコトに早かった。現金でのやりとりなんか、もう15年も前からほとんどしなくなった。お札や小銭と付き合うのは、京都のお寺の拝観料と、その門前のお土産屋さんと、田舎道でどうしようもなく腹が減った時のお蕎麦屋さんぐらいになっちゃった。

 

 だから、ヒグチさんやノグチさん、ほとんど顔を見ないうちに転校しちゃう同級生みたいな感じ。まもなく転校してくるキタザト君やウメコちゃんとは、果たして長い付き合いになるのかどうか、もっと大きなシブサワ君との交際はどうなるのか。

 

 いやはや、四半世紀前に登場した2千円札が3枚、「そのうち価値が上がるだろう」という噂を信じて、今も書斎の奥にギュッと隠し持っているが、もしかしたら今頃はもうカビでも生えているかもしれない。

(1月23日、京都府立植物園にて。「キソウテンガイ」という奇想天外な名前に、+もう一驚を喫する)

 

 夕暮れ近く、宝ヶ池のプリンスホテルにチェックイン。駅のオフィスに預けておいた荷物は、無事にお部屋に届けられていた。こうして往復とも荷物を運んでくれるサービスがあるのが、このホテルを贔屓にしている理由の1つ。荷物を引きずってお寺や神社を回るなんてのは、さすがにツラすぎる。

 

 しかし、いくらヒイキにすると言っても、やっぱり限度というものがあるかもしれない。昨年1年だけで、数えてみたらこのホテルに30泊近く滞在している。フロントの人とももうみんな顔なじみ、ワタクシが入っていくと、あちこちから「今井さま♡」「今井さま♡」と明るい挨拶の声が響いてくる。

 

 これをワタクシは「今井さま状況」と呼んでいるが、4〜5年前までは大阪駅前の某ホテルが激しい「今井さま状況」になり、この2〜3年は同じ大阪の別の某ホテルが「今井さま状況」になりかけた。

 

 昨年あたりから、この宝ヶ池プリンスと大阪のまたまた別の某ホテル。「今井さま、お帰りなさいませ」「今井さま、今回は何泊なさいますか」「今井さま、朝食の付いていないご予約ですが、大丈夫でしょうか?」みたいな今井さまラッシュになる。

(1月23日、京都府立植物園にて。ロウソクノキ。ここはホントに面白い。ワタクシはとうとう1000円の「年間パス」を購入してしまった)

 

 20年ぐらい前の今井君はまだガキンチョだったから、こういう状況にはずいぶん憧れた。20年前、ラッセル・クロウ主演の映画「プルーフ・オブ・ライフ」で、ラッセル演じるヒーローが、中南米のホテルのフロントクラークに、こんな感じで声をかけられるシーンがあった。

 

 彼の役どころは、ゲリラの人質を救出するセキュリティ会社のエリート。麻薬売買集団と化したゲリラが跋扈する架空の中南米国家テカーラで、アメリカの石油会社の社員が人質にとられる。その救出と身代金交渉に単身で乗り込んだテカーラのホテルで、「今回は何泊なさいますか?」の場面が挿入される。

 

 なにしろ20年前のラッセル・クロウは、大ヒット作「グラディエーター」以来ずっと一人勝ちの様相。リーダーシップに富んだタフなヒーロー役はほとんど彼が独占していた。超タフなヒーローがフレンドリーな微笑を浮かべながらフロントクラークと一言交わすシーンは、ガキンチョな男子なら憧れて当たり前だ。

(京都府立植物園にて。バラ園の向こうの比叡山が美しい)

 

 しかし何しろあそこから20年、今井君は出張に次ぐ出張の日々に明け暮れ、日本国中どこのホテルでも「今井さま」「今井さま」「今井さま」の連呼、何だか恥ずかしくて、「そんなに今井さまを連呼するのはヤメにしてくれませんか?」と、思わず頭を掻いている。

 

 気がつけば、そのぐらい凄まじい出張の連続だったのだ。しかもワタクシ今もなお、まさにその激しい出張連続の日々を、強烈に愛してしまっている。もし出張ラッシュがなくなったら、間違いなく東京の書斎でしょんぼり逼塞、長い籠城を決め込むに違いない。

 

 だからまあ、当分の間は致し方ないのだ。「まるで今井さま販売所だな」と、思わずホテルで苦笑するほど今井さまを連呼されても、それはまだ全国の塾と予備校で、今井君への需要がたっぷりある証拠。もっともっとたくさん出張を続けて、今井さま状況をワンサと作りだしていきたいのである。

 

1E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 4/10

2E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 5/10

3E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 6/10

4E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 7/10

5E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 8/10

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