3タミ直結、滑走路も望める「泉天空の湯 羽田空港」 4,800円の料金設定をどう見るか

羽田空港第3ターミナルに直結する温泉施設「泉天空の湯 羽田空港」が12月21日にオープンする。

当初は2020年4月の開業を予定していたものの、コロナ禍で延期となっていたこの施設。政府による水際対策の緩和を受け、今般ついに開業日が決定した。運営はホテル事業を手掛ける住友不動産ヴィラフォンテーヌで、同日開業するホテル「ヴィラフォンテーヌ プレミア羽田空港」「ヴィラフォンテーヌ グランド羽田空港」の館内に位置する。第3ターミナル直結かつ24時間営業のため、特に深夜・早朝便利用者にとってはありがたい新施設だ。「泉天空の湯」ブランドとしては、2020年6月にオープンした「泉天空の湯 有明ガーデン」に次ぐ2店舗目となる。

館内には男女別の大浴場に岩盤浴、休憩スペース、レストランと、いわゆるスーパー銭湯としての設備が一通り揃っている。

大浴場は男女で構造がやや異なるが、内湯、露天風呂、炭酸泉、寝ころび湯、ジェットバス、ドライサウナ、漢方蒸しサウナ、水風呂などとバラエティ豊か。そのうち内湯1か所、露天風呂2か所には、pH7.6の含ヨウ素-ナトリウム-塩化物強塩泉の自家源泉が使われている。東京23区ではよく見られるタイプの泉質で、一般適応症に加え、皮膚乾燥症、冷え性、切り傷、末梢循環障害、うつ状態に効能がある。

男湯・女湯ともに南側の多摩川に眺望があり、晴天の日は富士山が望めることから、女湯は「富士見の湯」の名が付いている。一方の男湯は、露天風呂から羽田空港のA滑走路とD滑走路の南端部分(R/W34L・05)も望み、離着陸する航空機が見られることから「銀翼の湯」と名付けられている。なお、男女の入れ替えは今のところ予定していないという。

▲天然温泉の内湯。毎日午前10時から午後1時までの3時間は清掃のため大浴場全体が利用できないので注意

休憩室にはリクライニングシートが13席ほど。第3ターミナルが正面に見え、夜は夜景が綺麗かもしれない。なお、館内には雑魚寝できるような場所がないので、仮眠をとる場合はこの部屋を使うことになる。

▲岩盤浴は男女共用で3部屋。低温のクールダウンルームも設けられている

一般料金は大人4,800円。比較的高額だが、岩盤浴、館内着、フェイスタオル、バスタオルの料金も含まれたコミコミ価格だ。子ども(4歳〜小学生)はフェイスタオルとバスタオル付きで2,000円。“国際線の利用前にサッとシャワー”という使い方ではコスパが悪い気がするが、ラウンジで延々とシャワーの順番待ちをするよりは有意義な時間の使い方ができるのではないだろうか。

ただ、午前2時から午前5時までの深夜帯に在館する場合、別途4,000円の深夜料金が必要となる。合計8,800円という料金は悩ましいところで、タクシーで蒲田や大鳥居あたりに出て適当なホテルに泊まるほうが安いかもしれない。空港直結という立地にどれだけの価値を見出だせるかで使い分けるのがよさそうだ。

なお、「ヴィラフォンテーヌ プレミア羽田空港」「ヴィラフォンテーヌ グランド羽田空港」の宿泊者は終日大人1,600円、子ども800円で利用可能。ただし、岩盤浴を利用する場合は800円の追加料金が必要となる。

いずれにしても、空港利用のついでに訪れる場所としては二の足を踏む価格設定だが、羽田空港に新たなスポットが生まれるのは嬉しいことである。旅の前後の選択肢の一つとして念頭に置いておきたい。

▲ラウンジスペース

▲男性浴場「銀翼の湯」

▲男性浴場側内湯

▲男性浴場側露天風呂。多摩川と羽田空港の南端部を望む

▲女性浴場「富士見の湯」

▲女性浴場側内湯

▲女性浴場側露天風呂。取材日は雨天で視界がなかったが、晴天時は富士山が見える

▲ドライサウナ。キャパシティは15人程度

▲漢方蒸しサウナ

▲ロッカールーム

▲パウダールーム

▲食事処「泉天空」