実は長い付き合い。NASAがスヌーピーを宇宙に送り込む理由とは?

  • 6,729

  • author 岡本玄介
  • X
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
実は長い付き合い。NASAがスヌーピーを宇宙に送り込む理由とは?
Image: NASA/YouTube

スヌーピーが初の宇宙旅行へ。

人類を再び月面に降り立たせる調査ミッション「アルテミス計画」のため、まずは11月に「アルテミス1号」が月の周回軌道を周り、地球に戻ってくる試験が行われます。このロケットは無人飛行なのですが…実は宇宙飛行士がひとり、いや一匹いるんです。

それが漫画『ピーナッツ』の看板キャラクター「スヌーピー」。とはいえスプートニク2号に乗ったライカのように生身の犬ではなく、片手で持てるぬいぐるみなんです。どうして「スヌーピー」のぬいぐるみなのでしょうか? その答えは以下の動画にあります。

Video: NASA/YouTube

無重力インジケーターとして使用

ぬいぐるみである理由は、NASAが監視カメラで無重力状態を知るためなんですね。無人飛行なので、飛行中の船内はただの空室。でもフワフワ浮いているぬいぐるみがあることで、重力の有無を確認することができるわけです。

たとえば、これまでにも無人テスト用クルー・ドラゴンには地球を擬人化したぬいぐるみが、またISS(国際宇宙ステーション)に到着したクルー・ドラゴン1号機には、野口聡一さんと共にベイビー・ヨーダのグローグーが同乗していました。宇宙旅行には、小さいぬいぐるみが必要不可欠なのです。

なぜスヌーピー?

NASAが設立された1958年より、8年前に誕生していたスヌーピー。当時の関係者がNASAとのコラボをお願いしてから今日に至るまで、ずっと契約が続く関係になっています。スヌーピーはアポロ計画時の安全キャンペーンに使用され、計画成功のマスコットそしてずっとNASAと共にあります。

今回のスヌーピーは、宇宙飛行士が着るオレンジスーツの素材が使われ、特別に宇宙仕様のコスチュームが作られたほど。専用のケースまで作られ、ロケットの格納庫まで大事に運ばれました。

スヌーピーのファンも宇宙ファンも、市販してほしいくらいの完成度。「アルテミス1号」での仕事を終え、無事に地球に帰還してほしいですね。

Source: YouTube via digitaltrends