博多〜長崎間結んだ特急「かもめ」、半世紀の歴史に幕 深夜の長崎駅に大勢の鉄道ファン

西九州新幹線が9月23日に開業するのを前に、博多〜長崎駅間を結んだ特急「かもめ」がラストランを迎えた。23日午前0時1分、最終列車の「かもめ45号」が長崎駅に到着し、現在の運行形態となった1976年から続いた約半世紀の歴史に幕を下ろした。

「かもめ」の列車名は戦前の1937年に誕生。当時は東京〜神戸駅間を走る特急だった。戦時中に一度名称が消えたものの、戦後の1953年に京都〜博多駅間を結ぶ列車として復活。1976年に長崎本線と佐世保線の全線電化が完成すると、博多〜長崎駅間を運行する現在の運行形態となった。晩年の使用車両は885系と787系で、885系は車体のカラーから「白いかもめ」と呼ばれた。

最終列車は22日午後10時10分博多駅発の「かもめ45号」。終点の長崎駅では、最終列車の到着を記録しようと集まった大勢の鉄道ファンに、JR九州社員が手作りの手旗を配った。ファンと社員らが待つ中、「かもめ45号」は定刻から17分遅れの23日午前0時18分に到着。ファンは電光掲示板に表示された「今までありがとう特急『かもめ』」の文字や長崎駅の駅名標などとともに、特急「かもめ」の最後の姿をしきりに写真に収めていた。

23日に開業する西九州新幹線の列車は「かもめ」の名前を継承し、午前6時12分に一番列車の「かもめ2号」が長崎駅を出発する。