それは恐怖の瞬間です。夏の陽ざしを何時間も浴び続けた愛車に、これから乗らなくてはなりません。もちろん、窓は完全に閉まっています。時間は午後の5時で、チキンを入れればオーブンよりも早く、中までこんがり焼けるかもしれない…そんな感覚です。

ですがこの苦しみは、味わうより他ないのでしょうか。エアコンをつけても冷えるまで時間はかかるし、うっかりしてシートベルトの金属部分に肌が直接触りでもすれば、真赤に燃えた焼き印を押された牛の気分を味わうことになります。

10秒で車をクールダウンさせる効果的な方法|動画解説

でも、心配は御無用。こんなときのために、「10秒で車をクールダウンさせる方法」をお教えましょう。「クールダウン」と言いましたが、さすがにそれは言い過ぎかもしれません。あと、少しの不安は残るでしょう。この対策を施せば、数度くらいは確実に温度を下げる、そんなコツをここで伝授しましょう。

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これはとてもシンプルですが、非常に効果的なワザです。

  1. まず最初に、助手席の窓を全開にします。同じ側の後部の窓も全開にするとなおよいかもしれません。
  2. そして運転席のドアを、5回くらい開けたり閉めたりするのを繰り返します。これだけです。決して強い力で開け閉めする必要はありません。普通の力で大丈夫です。

なぜドアの開け閉めだけで車内の温度が下がる?

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Kathrin Ziegler//Getty Images

ばかばかしいと思われるかもしれませんが、けっこう効果があるようです。高温になった車内の空気が外に出ていくように、風の通り道をつくってあげるというわけです。

これは、車内の暑くなった空気を助手席のドアの向こうに押し出しているのではなく、実はドアを引く際に、熱くなった空気が外へと出ていくのです。そして、運転席側のドアから熱い空気が出ていくのと同時に、あらかじめ開けた助手席のドアから外気(車内より涼しい空気)が入ってくることによって、車内の温度が一気に下がるというわけです。

まとめ

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Getty Images

デタラメのように聞こえるかもしれませんが、うまくいくようです。 実際、このアイデアは「エスクァイア」が考え出したものではありません。『新約聖書』の「マタイによる福音書」に記された逸話で言うなら、「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい」とすべきです。この情報はYouTubeにて、テレビ朝日系列局の一部で放送されたバラエティ番組『賢コツ!!』(2008年5月10日から2009年9月26日放映)で紹介された際の切り抜き動画で紹介されていました。そこでは、このアイデアの発案者である(当時)空気力学を研究されてた埼玉工業大学工学部の酒井勝弘教授が自らコメントし、実際に番組内で実験も行っています。

その実験は気温30.5℃の日に行われ、駐車中の車内の温度計は41.6℃でした。そこで、上記のとおりの工程を行ったあと、車内に設置された温度計は33.5℃まで低下。あっという間に、約8度下がったというわけです。ぜひお試しください。ただし、ドアに指を挟まないよう気をつけてください。

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もし、この方法だけでは満足できない場合は、2020年8月にトヨタカローラ札幌株式会社のFacebookに投稿されたJAFが実験検証が役立つでしょう。

2016年6月7日にJAFは同じクルマを5台用意し、55℃になった車内温度をそれぞれ違う方法で下げる検証を行っています。
①は、ここで紹介している方法で、運転席のドアを5回開閉(助手席の窓のみ開ける)。②はシートに冷却スプレー。③は窓を閉めてエアコンを外気循環。④は窓を閉めてエアコンを内気循環。⑤は窓を開けてエアコンをつけて3分間走行。

この記事をご確認を上、合わせ技も考えてもいいでしょう。この実験結果で、②の冷却スプレーよりも①のほうが効果的であることがわかるでしょう。

Source / Esquire ES
Translation / Satoru Imada
※この翻訳は抄訳です。