line of trade churchill seersucker shirt
Timothy Mulcare
「Line of Trade(ライン・オブ・トレード)」チャーチル・シアサッカーシャツ 65ドル bespokepostで見る

私(『ESQUIRE』US版のスタイルディレクター、ジョナサン・エヴァンス)は長いこと「シアサッカー」という素材を敬遠していて、その良さをまったく理解しようとも思っていませんでした。私にとって「シアサッカー」と言えば、オールドサウス(南北戦争以前の米南部)をイメージさせるものであり、かつ(1996年に共和党の連邦上院議員トレント・ロット氏の発案で)「nice and warm day(ちょうどいいくらい暖かな日)」とされる6月の第2週または第3週に2015年まで行われた「Seersucker Thursday(シアサッカー・サーズデー)」というちょっと変わった行事のためのユニフォームといった感じなわけで、私のワードローブに取り入れる理由がひとつも見当たらなかったのです。

とは言え、必ずしも嫌いというわけではありません。できる限り、避けていたのです。

しかしながら最近では、2つの重要な変化が私の身に起こってきました。私が住んでいるニューヨークの気候は、このところ湿度が高めの大陸性気候から湿度の高い亜熱帯性気候にでもなったかのような陽気で、夏場はこれまで以上に酷暑となっています。そしてもう一つは、デザイナーやブランド(超高級から手頃感のあるものまで)がこの素材に注目するようになったこと…。シアサッカーは今や、かつてなく旬な雰囲気をまとっており、着こなしやすく、涼し気なお洒落を楽しめるようなアイテムになってきているということです。

と言うわけで、ここではシアサッカーシャツの魅力についてお話していきましょう。まずはこの素材のシャツが持つ実力を知れば、シアサッカーびいきになること請け合いです。私自身、そうなのですから…。

officine générale eren 半袖シアサッカーシャツ(ネイビー&ホワイト)
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OFFICINE GÉNÉRALE EREN 半袖シアサッカーシャツ(ネイビー&ホワイト)2万4809円 END.で見る

通気性のよさ

シアサッカーの代表的な特徴とも言える、表面の「しぼ(しわのような凹凸」)加工にはいくつもの利点があるのですが、まずは太陽が照りつける上に湿度も高いという都会の気候を知っている人に最も重要なことからお伝えしましょう。

それは「通気性のよさ」です。詳しい説明は省略しますが、独特な織りの技術によって凹凸が素材の表面に生じるため、生地と肌が密着しにくい構造になっています。つまり、肌とは接していない部分も多くあるため、服の内部にある風の通り道が服で邪魔されることなく、涼しさを得られるという考えです。

「corridor(コリドー)」シアサッカー バケーション シャツ
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「CORRIDOR(コリドー)」シアサッカー バケーション シャツ 2万655円 END.で見る

旅行に便利

さらに特筆すべきもう一つは、携帯するのに非常に便利だということです。最初から生地全体にシワ加工が施されているので、シワがつく心配はそもそも無用と言えるでしょう。

もちろん、最初に購入したシアサッカーシャツを包装から出して広げたときに、ややはっきりした畳みジワはありました。ですが、ポプリンやオックスフォード素材のものと比べるとそれほど目立ちません。しかも、いったん着こなしてしまえば、他のコットン素材よりも素早くシワが伸びる傾向にあります。

つまりシアサッカーのシャツをトランクに入れて旅行へ出かけても、滞在先のホテルやAirbnbの宿泊先で「アイロンがあるかどうか?」など気にする必要もないと言えるのです。

では皆さん、さっと羽織ってみてください。あとは、シアサッカー加工の力を信頼し、「エレガントなシボ」の良さを実感するのです。

「portuguese flannel(ポルチュギース フランネル)」フレーム シアサッカー バケーション シャツ
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「PORTUGUESE FLANNEL(ポルチュギース フランネル)」フレーム シアサッカー バケーション シャツ 1万2335円 END.で見る

私が選んだシアサッカーシャツ

そんなわけで「シアサッカー」生地は好きになったものの、私は「ブルーと白」という定番の色合いにはまだ苦手意識を持っています。うまく着こなせるときもありますが、ついつい古臭さを感じてしまうのです…。

そこで見つけたのが、「Line of Trade(ライン・オブ・トレード)」の「チャーチル・シアサッカーシャツ」 です(一番上の写真)。カラーバリエーションは3種類(いずれも伝統的な「ブルーと白」ではない) で、おすすめは茶色ががった赤と白の組み合わせでストライプを構成するカラー名「カッパー」です。

このカラーは、この記事を書いている時点でも売り切れのサイズがあることから、明らかにファンが多いことがわかります。ですが私が思うに、他の2色(『インク』と『パイン』)こそ、実は着こなしに映える色とも言えます。この2色は「カッパー」よりも色合いがダークなので、意外と思うかもしれません。ですが、カーキのチノパンやフレンチブルーのスーツなど、どの夏の定番アイテムに合わせても好相性だと思えるのです。この「チャーチル」はきっと、あなたの定番アイテムのひとつになるに違いありません。

ここまで生地の特徴について熱く語ってきましたが、このシャツのカッティングについても触れておかなくてはなりません。「チャーチル・シアサッカーシャツ」の身頃は太すぎでも細すぎでもないクラシック・テーラードフィットであり、その袖のつくりもロールアップするとぐっとお洒落度が上がる仕立てになっています。そして、オンスタイルでもオフスタイルでも着こなし可能なニュアンスあり、おまけに合わせるものに相性が悪いアイテムのほうが少ないでしょう。

親しい友人の結婚式で、またトロピカルドリンクを片手にプールサイドで…初夏から初秋に差し掛かる季節のさまざまなシチュエーションにおいて、このシアサッカーシャツはあなたの強い味方になってくれるでしょう。

line of trade's breezy summer shirt will make you a seersucker convert
TIMOTHY MULCARE
「Line of Trade(ライン・オブ・トレード)」チャーチル・シアサッカーシャツ 65ドル bespokepostで見る

Source / ESQUIRE US
Translation / Keiko Tanaka
※この翻訳は抄訳です。

Photography by Timothy Mulcare. Prop styling John Olson for Halley Resources.