コロナ禍とデジタルシフトは、企業のビジネスモデルや人々の働き方を大きく変えた。この変化を追い風に、地域の変革(RX)につなげることが新たな課題として浮上している。

時間と場所の制約が消え、再認識される地方の価値

 「地方にとって、現在は変革のチャンスです」。そう語るのは、デロイト トーマツ グループの松江英夫氏だ。その理由は、コロナ禍を通じた、ある変化だという。

 「リモートワーク、ワーケーションといったように、人々は時間と場所の制約から解放され、今までと異なる場所での働き方や過ごし方ができるようになりました。結果、ワークライフバランスなどの観点から、移住や就労先として、地方の価値が再認識されています。これを地域の変革(RX)に生かさない手はありません」

デロイト トーマツ グループCSO(戦略担当執行役) 松江英夫氏
デロイト トーマツ グループCSO(戦略担当執行役) 松江英夫氏

 労働力人口の減少など、地方を巡る課題は年々深刻化している。「積極的に新しい人・モノ・カネ・情報を受け入れ、あるいはデジタルでつなぎ、地方に内在する価値をいかに高めるか。産学官でRXの取り組みが問われている」と松江氏は話す。

人口減少など年々深刻化している地方の課題解決に向け、取り組みが求められているRXの概念
人口減少など年々深刻化している地方の課題解決に向け、取り組みが求められているRXの概念
[画像のクリックで拡大表示]