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 同僚に「メールを送った」と言われたのに、メールアプリの受信トレイには見当たらない(図1)。そんな経験は誰しもあるはずだ。ここで頭に浮かぶのは、間違って迷惑メール扱いされた可能性。しかし困ったことに、誤判定されたメールがメールアプリの迷惑メールフォルダーに入らないケースがままある。そのからくりを解き明かしながら、対処方法を解説しよう。

「送った」と言われたけど見当たらない
「送った」と言われたけど見当たらない
図1 相手が送信したはずのメールが届かない。こんなときに疑われる原因の1つが、間違って迷惑メール扱いされていること。しかし、メールアプリの迷惑メールフォルダーでは見当たらないことがある。仕組みをしっかりと理解して対応策を覚えよう
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IMAPなら問題なし POP受信がトラブルのもと

 迷惑メール対策は一般にサーバー上で行われる。Gmailやプロバイダーの多くは、サーバーに届いたメールを即座に迷惑メールフィルター(判定機能)にかけ、迷惑メールと判定したものをサーバー上の迷惑メールフォルダーに振り分ける(図2)。

サーバーの迷惑メール対策とは?
サーバーの迷惑メール対策とは?
図2 Gmailやプロバイダーの機能で迷惑メール対策を実行している場合、メールはサーバーに届いた段階で受信トレイと迷惑メールフォルダーに振り分けられる(1)(2)。後者のメールは、メールアプリのPOP方式では受信できないことが多い
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 IMAP方式の場合、サーバー上の迷惑メールフォルダーはOutlookアプリでも見える。誤判定されたメールもここにあるので確認で戸惑うことはない。

 問題はPOP方式の場合だ。サーバー上の迷惑メールフォルダーに振り分けられたメールは、あろうことかメールアプリには届かない。例えば、GmailをOutlookアプリでPOP受信している場合、Gmailのサーバーが迷惑メールと判定したメールは、アプリの迷惑メールフォルダーはもとより受信トレイにも入らないのだ。このケースでは、Gmailの迷惑メールフォルダーを確認する必要がある(図3上)。同様に、プロバイダーが判定した迷惑メールも通常は、POP方式だと受信できない(図3中)。

大事なメールが迷子になるケース
大事なメールが迷子になるケース
図3 迷惑メールと判定されたメールがメールアプリで見えなくなるのは主にPOP方式で受信しているケースだ。OutlookアプリでGmailをPOP受信している場合、迷惑メールはOutlookアプリの迷惑メールフォルダーには表示されない。また、プロバイダーメールをOutlookアプリやGmailでPOP受信もしくは転送している場合も、それぞれの迷惑メールフォルダーにはメールが入らない[注]
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