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Q.ソフトハウス勤務のプログラマーです。次のシステム開発(来年3月から)において、必要な開発ツールやプログラム言語の研修を受講するよう指示がありました。定期開催されているものです。予定していた音楽ライブが受講日にあることを、うっかり忘れていました。後日「その日は私用があって休みたい」と上司に伝えたところ、認められないとあっさり言われました。休暇取得は自由にできるはずと反論できるでしょうか。

 ライブの開催日は決まっているので、なんとかして行きたいという気持ちは分かります。幸い、同じ研修は定期的に開催するようです。プログラムの製造着手まで、期間的に余裕があります。受講日を変更してほしいと、正直に事情を話してみてはいかがでしょうか。小言は言われるかもしれませんが、日程を変えるだけなので上司は了承してくれると思います。

 ただ、重要な研修の受講であり、ずいぶん前から指示されていたときは、質問者はライブを我慢する必要があります。自由な休暇取得はできないのです。その点については理解しておくべきです。

 ライブの日だとご自身が忘れていたとのこと。有給休暇の申請もなかったので、休む予定だったという事情を上司が知るすべはありません。質問者は早めに休暇予定を伝えておくべきでした。

有給休暇取得の権利が制限される場合がある

 社員には有給休暇を自由に取得する権利があります。ただし、あらかじめ重要な業務で出勤を命じられていた日など、特別な事情があるときは制限されます。また、会社で定められている休暇の申請期限のルールを守る必要があります。例えば「明日から1カ月間休みます」と言って急に長期休暇を取ると、上司も同僚も困ります。

 就業規則を見てください。有給休暇の条文のところに、取得期限のルールが記載されているはずです。ルールは会社ごとに違います。

 例えば「5日以上の休暇取得は1カ月以上前までに申請すること」「3日以上の休暇取得は2週間前までに申請すること」「1日のときは前日までに申請すること」といったルールです。毎月勤務がシフトする、交代勤務があるというような場合は、休暇日数に関係なく1カ月以上前の申請を原則にしている会社もあります。

 旅行やイベント参加など、必ず休みたいという日が決まっている場合があります。そういうときは、申請期限に関係なく早めに休暇申請をしておきましょう。

 一方、上司には部下の有給休暇の取得申請を拒否する権利はありません。休暇の申請に対して、「ダメだ」「認めない」「取らせない」というような拒否発言はできません。