《目次》

▶ワインに氷や炭酸水…ヨーロッパでは定番スタイル

▶イタリア流の食前酒「アペロールスプリッツ」とは?

▶邪道なの? ワインに氷ってマナー違反?

▶「ピノ ノワール」と「ソーヴィニヨン ブラン」をカクテル風に

▶動画レシピ|明太子 × サワークリップ簡単アレンジ

▶まとめ

ワイン 氷 炭酸割り,あり なし,ダイアナ妃,カクテル,スプリッツァ,ドイツ,spritzer,レシピ,

ワインの奥深さに敬意を払う一方で、「ワインやシャンパンって肩肘を張らず、もっとカジュアルで、でもエレガントで…おいしくて、誰でも楽しめるオープンな世界」という哲学を持つ、ワインスタイリストの藤﨑さん。

動画連載「satokoの一杯逸品」の第8回目はニュージーランド原産で、同じ生産者がつくる赤ワイン(ゴールドウォーター・マールボロ ピノ ノワール 2018)と白ワイン(ゴールドウォーター・マールボロ ソーヴィニヨン ブラン 2019)をカクテル風にアレンジ。そして、それに合う簡単なおつまみレシピをご紹介します。肴(さかな)が無いときや、「ちょっとおつまみが欲しいでも、つくるのは面倒くさいな…」なんて日に、ぜひ参考にしてみてください。

また、ワインを氷や炭酸水で割るのはアリ? ナシ? その是非についても言及しています。まずは、文化的にひも解いてみましょう。

ワインに氷や炭酸水…ヨーロッパでは定番スタイル

白ワインに炭酸水を入れるだけの簡単なカクテルレシピを、皆さんご存知でしょうか? それは「スプリッツァ(Spritzer)」と言います。この「Spritzer」とは、ドイツ語の“はじける”という意味になります。

またドイツでは、「ヴァインショルレ(Weinschorle)」と呼ばれる白ワインを炭酸水で割るカクテル、そして赤ワインの水割り「ロートヴァインショルレ(Rotweinschorle)」というカクテルもあるほどです。

実はヨーロッパにおいて、ワインの水割り(氷・炭酸水)は長い歴史があるようです。フランスでは皇帝ナポレオン、ギリシャは哲学者ソクラテスも、ワインを水割りで飲んでいたという逸話が残っているほどです。

現代(いま)でもフランスやドイツ、イタリアなどでは、炭酸水で割ったワインがカクテルのひとつとして文化的に根づいています。ヨーロッパを旅行中にレストランやカフェに入ったとき、メニューで見たことがある人も多いのではないでしょうか。

▽イタリア流の食前酒「アペロールスプリッツ」

イタリア人の中でポピュラーな飲み物が、「アペロールスプリッツ」。食前酒のためのオレンジ風味をベースにしたリキュールが「アペロール」で、これにフレッシュオレンジやスパークリングワイン、炭酸水で割って楽しむカクテルです。

邪道なの? ワインに氷ってマナー違反?

さて、日本人に何となく刷り込まれている(!?)のが、「ワインを氷や炭酸水で割るのってアリなの?」という疑問です。「自分が美味しく楽しめればOK」ということを、本記事では推奨しています。ですが、それでも気になる人には、“心配ご無用”であることをお伝えしておきましょう。

ミステリー作家で貴族院議員ジェフリー・アーチャーは、自身の作品中で「スプリッツァ」を「貧乏人のジェームス・ボンド」と記しており、もしかすると、そういったイメージが流布され、「ワインに氷や炭酸水を加えるなんて“邪道だ”」という考え方を持つ人がいるのかもしれません。

もちろんレストランであれば、専用のワインセラーで保存され、ワインの温度もかなり細かく注意を払ってくれています。ソムリエがいる場合において、「ワインに氷を入れてほしい」なんてリクエストしたら、それはマナーというより、レストランやソムリエに失礼になりますよね。そういった場合は当然NGですし、マナー違反というよりはモラルの問題ですね。

一方、日常的に美味しく楽しむのであればワインに氷を入れたり、炭酸水で割ったりすることは何の問題などありません。「スプリッツァ」は、ダイアナ元イギリス皇太子妃が生前愛飲していたカクテルとしても知られています。

それでは、ここから「スプリッツァ」のペアリングについて考えていきましょう。

ワイン 氷 炭酸割り,あり なし,ダイアナ妃,カクテル,スプリッツァ,ドイツ,spritzer,レシピ,

藤﨑さん:こんにちは、「satokoの一杯逸品」のお時間です。今回は、ワインをカクテル風にアレンジして楽しむことを提案します。合わせるお料理は、どこでも手に入りやすい食材を使って簡単にできる付け合わせを考えています。

◇「ピノ ノワール」と「ソーヴィニヨン ブラン」をカクテル風に

藤﨑さん:まずは、ワインについてご紹介します。

ニュージーランド産の「ゴールドウォーター・マールボロ ピノ ノワール 2018」と、「ゴールドウォーター・マールボロ ソーヴィニヨン ブラン 2019」です。これらのワインの良さはとても香りが豊かで酸味があり、果実のボリュームもしっかりあって飲みやすいところにあります。ニュージーランド産の「ゴールドウォーター・マールボロ ピノ ノワール 2018」と、「ゴールドウォーター・マールボロ ソーヴィニヨン ブラン 2019」です。これらのワインの良さはとても香りが豊かで酸味があり、果実のボリュームもしっかりあって飲みやすいところにあります。

存在しない画像
「ゴールドウォーター・マールボロ ピノ ノワール 2018」参考価格:2860円(税込)購入はこちらから 「ゴールドウォーター・マールボロ ソーヴィニヨン ブラン 2019」参考価格:1980円(税込)

ペリエ 瓶330ml×24本

 瓶330ml×24本

ペリエ 瓶330ml×24本

¥4,216
Amazon で見る

藤﨑さん:体温と舌下温(口中)の温度は比較的近いので、「どのように口の中の温度を下げて、食事を楽しむか」を考えたときに、氷を入れたワインというのはとても魅力的です。グラスに氷を入れます。さらに、炭酸水(ペリエ)を加えます。

こうすると、ワインが一気に飲みやすくなります。理由は、氷や炭酸水はワインの香りを邪魔せず、温度を下げ、口当たりをまろやかにするからです。

白ワインの場合は酸味を爽やかに感じて楽しむことができると思います。

ワイン 氷 炭酸割り,あり なし,ダイアナ妃,カクテル,スプリッツァ,ドイツ,spritzer,レシピ,
ワイン 氷 炭酸割り,あり なし,ダイアナ妃,カクテル,スプリッツァ,ドイツ,spritzer,レシピ,
「ヴァヴァサワー・マールボロ ソーヴィニヨン ブラン 2018」参考価格:2530円(税込)購入はこちらから

藤﨑さん:この「ゴールドウォーター・マールボロ ソーヴィニヨン ブラン 2019」は非常に人気で完売していることが多いです。同じような味わいで楽しめる「ヴァヴァサワー・マールボロ ソーヴィニヨン ブラン 2018」も一緒にご紹介いたします。同じ醸造家が手掛けているので、共通する味わいが見えてきます。ラッキーな方は両方を手に入れて楽しめると思います。

また、氷や炭酸水で割ると「水っぽくなるのでは!?」と心配される人もいると思いますが、逆に味が引き締まってくる印象に変わる、と思ってください。

「スプリッツァ」ルージュ(赤ワイン「ゴールドウォーター・マールボロ ピノ ノワール 2018」)は、どうでしょうか…? うん、こちらはカクテル向きですね。アレンジ方法としてオレンジを絞ったり、グレープフルーツやレモンを添えたりすると、より味を深められるのでおすすめです。

◇【動画レシピ】明太子 × サワークリップ簡単アレンジ

preview for 「スプリッツァ」と明太子のペアリング

藤﨑さん:明太子をほぐすときに使ってほしいのが、サランラップ。まな板を覆うことで明太子の小さい粒が無駄なくすくえます。

  1. まな板をラップで覆います。
  2. その上で、包丁の背を利用して明太子をほぐしていきます。
  3. 小皿にサワークリームを大さじ2程度、そこに明太子を加えて混ぜます。
  4. レモンをひと切れ準備して、絞りましょう。
  5. ハーブを乗せて、クラッカーで楽しんでみてください。

《ワインと相性を良くするポイント》

レモンを絞ることで柑橘系の酸味が白ワインと相性がよく、また明太子の生臭い印象も取り除いてくれます。お好みで、ブラックペッパーをかけてもOKです。

◇「スプリッツァ」と明太子のペアリングを考察

藤﨑さん:「ゴールドウォーター・マールボロ ピノ ノワール 2018」を使った「スプリッツァ」は、爽やかで可憐な香りがあります。赤ワインの土っぽさが、乳製品のサワークリームと相まって、味の深さを引き立ててくれます。赤ワインの味自体もしっかりと感じられます。

存在しない画像

ニュージーランド産の「ソーヴィニヨン ブラン」を使った「スプリッツァ」は、果実の香りと柑橘系の爽やかさがあるので、レモンを絞った明太子 × サワークリームに合わせやすくなります。ピリッとスパイシーな明太子にもバランス良くまとまります。

◇まとめ

藤﨑さん:「スプリッツァ」とは、カクテルとして存在する定番な飲み物。なので、ワインに氷を入れたり、炭酸水で割ったりすることは全くもって邪道でもなんでもないんですよね。赤・白ワインから感じられる柑橘系の要素を、今回ご紹介したレモンを絞った「明太子 × サワークリーム」でぜひ試してみてください。

今回の「satokoの一杯逸品」はいかがでしたか? 次回もお楽しみに。

《Profile・経歴》
藤﨑聡子(Satoko FUJISAKI)
ワインスタイリスト

…1997年ワイン専門誌「ワイン王国」創刊、編集・作家担当・広告業務を担当。2003年ワインスタイリストとして独立。以後、男性ファッション誌、女性ファッション誌でシャンパン、ワイン、料理制作、スタイリング、レストラン紹介などを連載・執筆。

世界的に発刊されているワイン漫画『神の雫』では、シャンパン女番長としてワインと食材のマッチングコラムを2年半にわたり執筆。これはフランス、上海、北京、香港、台北、ソウル、アメリカで翻訳され現在も発売中。単行本では24巻から36巻まで収録されている。

レストランのワインリスト作成、メニュー開発、またスタッフに対するワインセミナーもジャンルを問わず手掛ける一方、ファッション撮影ではインテリアコーディネート、フードスタイリングなども担当構成。2014年12月、シャンパン100種類、メインディッシュは餃子、唐揚げをリスティングするラウンジ・Cave Cinderellaを東京・西麻布にオープン。

フランス・シャンパーニュ生産者組合団体・シャンパーニュ騎士団より2007年シュヴァリエ・ド・シャンパーニュ、2009年ジャーナリスト最年少でオフィシエ・ド・シャンパーニュを叙任。シャンパン、餃子、唐揚げ、ポテトフライ、ゴルフをこよなく愛する。

Video Photograph & Edit / Kazune Yahikozawa
Director / Yusuke Hama, Kie Soeda
Hair and make-up / BOTAN