若狭敬一のスポ音

マラソン女子、鈴木亜由子が語る。スタートラインに立つ時の理想の心境

東京オリンピック女子マラソン日本代表で、愛知県豊橋市出身の鈴木亜由子選手。

CBCラジオ『若狭敬一のスポ音』では、鈴木選手へのインタビューの模様を、「走れ!鈴木亜由子」のコーナーで4週に渡って放送しています。

6月19日放送の3回目は東京オリンピックのマラソンコースを走った実感を聞きました。

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前半の橋がポイント

5月5日に行われたハーフの大会、「北海道・札幌マラソンフェスティバル」は、東京オリンピックのマラソンコースが使われていました。
鈴木選手は、この大会で1時間8分53秒で3位でした。

東京オリンピックのマラソンコースを実際に走った印象は?

「走ってみて良かったですね。走ってみないとわからない微妙なアップダウンもわかりましたし、思っていたよりもスピードが出やすいコースかなと実感しました」

コースの前半にある幌平橋と南七条大橋。その橋の前後にアップダウンがあるそうです。

鈴木「そこをうまくリズムを作るのが大事だなと思いました。今までトラックでやってきたので、活かせるコースじゃないかなと思います」
 

北海道大学の連続カーブ

若狭「素人的には北海道大学校内の細かなカーブ、あれ走りにくいと思ったんですけど」

市街地から北海道大学に入ると、ギザギザのように細かいカーブが続く箇所があります。

東京オリンピックは周回コースのため、この区間を2回走ることになります。「足に効いてくるかも」と心配していましたが…。

鈴木「個人的な感想だと、うまくコース取りをすればいいですし、苦しい中、気持ちもちょっと切り替わるので、自分としては良かったですね」

ガラッと雰囲気が変わる区間なので好印象を持った鈴木選手です。
 

名古屋大学を走る?

閑話休題。ここで名古屋大学卒業生同士のゆるい会話。

若狭「名古屋大学校内は走りました?」
鈴木「あんまり走ってないですね。みんなトラックとかキャンパス外に行っちゃいますもんね」

名古屋大学は坂があって、自分を追い込むならいいですが、ジョギングには適さないんだそうです。

若狭「鍛錬の場にはいいけども、本番は絶対やめて欲しい?」
鈴木「本番はやめて欲しいですね」

名古屋オリンピックを開催する時には、マラソンコースから名古屋大学は外してもらいたいものです。1988年大会は韓国ソウルで行われましたが、開催地に名古屋も立候補していましたっけ。
 

努力をした人だけが立てる

2016年リオデジャネイロオリンピックでは、トラック競技の10000メートル、5000メートルで日本代表を経験している鈴木選手。オリンピックとはどんな舞台なのでしょうか?

「自分にとっては憧れの場所でした。リオに出た後は、みんながコツコツ積み上げてきたものを表現する場所なのかなと思いました」

リオの前までは、漠然と子供の頃のイメージのまま、どんな超人が出るんだろう?と感じていたオリンピックという舞台。しかし一度自分が出てみると冷静になれたそうです。

「本当に努力をした人が立てる場所だなという、それだけを感じました」と振り返った鈴木選手。

「純粋にしっかりと準備をしてスタートラインに立って、自分の力を発揮できる、そういう状況でいたいなって思います」と東京オリンピックへの意欲を語りました。
 

スタートラインで結果は出ている

走っている時は細いことにこだわっていないという鈴木選手。東京オリンピックでの走りのイメージを聞きました。

「スタートしてる時には、結果はもう決まっているので、とにかく自分の力を出せる状況であればいいかな。迷いなく思いっきり走れたら、そんなイメージをしています」

練習が積めていれば、いい状況判断が出来るそうです。逆に不安要素があったり、練習が出来ていないという判断も消極的になったり、いいところで粘れなかったりもするんだとか。
 

練習の中の最後の一本

鈴木「あの時のレースは、こうしてればよかったとか思うこともあるんですけど、思い返してみると、練習が出来てなかったから、ああいう走りだったんだなって思いますね」

突き詰めていくと日々の生活に結果があるのでしょうか。

若狭「スタートラインには、どういう心境で立つのがベストなんだろう?」

鈴木「やることは全てやった。後は42.195キロを走るだけ。そういう思いで立っているのが一番いいですよね。これだけ練習してきて、いよいよ(練習の中の)最後の一本か、みたいな」
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2021年06月19日14時03分~抜粋

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