鹿児島―那覇 長さ日本一の国道58号は7割が海の上

 2021/04/19 13:00
鹿児島市と那覇市をつなぐ国道58号が850キロあることを示す表示板=鹿児島市山下町
鹿児島市と那覇市をつなぐ国道58号が850キロあることを示す表示板=鹿児島市山下町
 鹿児島市山下町の西郷隆盛銅像前の交差点で、見慣れない表示板を見つけた。「鹿児島市←850キロメートル→那覇市」とある。実はこれ、国道58号の起点が鹿児島市、終点が那覇市であることを示している。850キロはバイパスを含まない長さだが、日本一を誇る。昨年12月に国土交通省鹿児島国道事務所が設置したものだった。それにしても、海があるのになぜ?

 同事務所によると、フェリーなど道路と道路を結ぶ交通系統が1本でもあれば、海上でも国道に指定できるという。国道58号もこれにあたり、海上も国道とみなし種子島や奄美大島、沖縄県まで続いているという訳だ。車が走れる陸の部分は約240キロに対し、海上は約610キロと約7割を占めている。

 国交省の道路統計年報(2019年3月31日時点)では、バイパスを含む国道58号の総延長は879.6キロ。東京-青森を結ぶ国道4号の836.4キロを上回り日本一となっている。

 鹿児島市を走る国道58号は約700メートルしかないが、「日本一」の響きはうれしい。