対中にらみ菅氏を厚遇 日本の役割拡大狙うバイデン氏

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ワシントン=望月洋嗣
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 16日の日米首脳会談で、バイデン氏は「唯一の競争相手」とする中国への対抗意識を鮮明にした。共同声明には、中国への配慮で長らく言及してこなかった「台湾海峡の平和と安定」の文言を盛り込んだ。強硬なバイデン政権の対中政策に、日本はどこまで歩調を合わせられるかが、今後の焦点になる。

 バイデン大統領は記者会見の冒頭で「我々(日米)は中国からの挑戦を受けて立つためにともに取り組む」と発言。菅首相がつかった「中国が及ぼす影響」よりも強い言葉で、中国に対する強いライバル意識をにじませた。

 さらに、「21世紀においても、民主主義は競争し、勝利することができると証明するため、ともに取り組んでいく」とし、日本と協力して中国との競争に打ち勝つという姿勢を鮮明にした。

 発足から約3カ月、コロナ禍で対面での首脳会談を避けてきたバイデン氏にとって、菅氏は初の直接会談の相手になった。「厚遇」の背景には、軍事、経済、技術開発にわたる中国との競争で、日本の役割を拡大させたいとの狙いが透ける。

「ジョー」と「ヨシ」、今後どうなる?

 バイデン氏は、中国を念頭に「専制国家」という言葉を使う一方で日米についてはアジア太平洋地域の「二つの強い民主主義国」「重要な民主主義国家」と表現した。「民主主義国家」陣営対「専制主義国家」陣営の競争で、日本が重要な位置を占めることも印象づけた。

 焦点の一つだった台湾問題は、共同文書で明文化された。菅氏は「台湾海峡の平和と安定の重要性については、今回改めて確認した」と、記者の質問に答える形で述べたが、バイデン氏は言及しなかった。

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