いよいよDisney+で配信開始となるマーベル・シネマティック・ユニバースの最新作となるドラマ『ワンダヴィジョン』。
今作は『アベンジャーズ/エンドゲーム』での事件の後、スカーレット・ウィッチことワンダ・マキシモフは死んだはずのヴィジョンと郊外で理想の暮らしをしていたが、徐々にその世界がおかしいことに気づいていく……といったストーリーになるようなのですがかなり謎。一体どんな話になるのか、楽しみなシリーズです!
今回はそれに合わせ、同作の製作総指揮を担当しマーベル・スタジオ社長でもあるケヴィン・ファイギにインタビュー!
なぜ『ワンダヴィジョン』はシットコム(シチュエーション・コメディ)がテーマなのか、など伺ってきましたよ。
──MCUは今を表現した作品シリーズとして受け入れられています。プロデューサーとして、どのような秘訣があるのでしょうか?
ケヴィン・ファイギ(以下、ファイギ):常に新しくあること。新鮮で、今までとは違うことをやるのです。観客のためはもちろん、ストーリーを語る自分たちのためにもです。そして、何十年もの間に蓄えられてきたコミックの幅広いストーリー、違ったトーンを思い切り活用すること。「コミックは全部同じような感じだよね」と思う人もいるかもしれないですが、マーベルのコミックをたくさん読んだら、全然そうじゃないとわかるはずです。キャラクターはみんなそれぞれ違うし、ストーリーも、トーンも多様です。私は、インタビューを受け始めた頃からずっと、「私らはほかと違うことをやり、新鮮であり続け、観客の期待を上回ることをやる」と言ってきました。マーベル・スタジオのやり方がわかってきたぞ、と思われる前に違う形へ移行するんです。それも、ただ違うことをやりたいがためにやるわけではありません。あらゆるストーリーを語りたいから、やるんです。僕らにはたくさんのキャラクターがいて、たくさんのインスピレーションがあるから、それができる。ディザスター映画をやったかと思ったら政治スリラーをやることもできるし、今回みたいにシットコムをやることもできる。それはすごく楽しいですよ。
── 今日、進歩を続けるテクロジー的な側面が、『ワンダヴィジョン』などMCUの今後の作品作りにどのような影響を与えているとお考えですか?
ファイギ:テクノロジーはツールのひとつに過ぎません。コミックのアーティストは、自分が思いついたことをなんでも絵にできますが、今はテクノロジーがどんどん発達し、映像作家もそれと同じようなことができるようになりました。頭の中にあることをすばらしい形で映像化できるわけです。テクノロジーはストーリーを語る上でのツールのひとつで、絵描きにとっての筆の1本。あるいは、新しい絵具でしょう。新しいものが増えると、いつだって楽しいです。観客にまだ見たことがないものを提供できるんですからね。
──『ワンダヴィジョン』はなぜシットコムというテーマになったのでしょう?
ファイギ:私は昔からシットコムが好きでした。それに、私はいつも違うことをやりたいと思ってきました。だけど、これに関しては、コミックの『ヴィジョン』(注:トム・キング/ガブリエル・ヘルナンデス・ウォルタによる2015年のコミック)というシリーズの影響が大きいです。これは、ヴィジョンが一家で郊外に住んでいる設定の作品。特に家族でドアの前に立っているところだったり、郵便受けが描かれていたりする表紙(表紙はマイク・デル・ムンドが担当)がすばらしく、すごく惹かれてインスピレーションとなりました。それに、テレビでやるなら何かテレビならではのものをやりたいという思いもあってのことです。
まさに仰るとおり、ドラマはキャラクターのストーリーに時間をかけられるという大きな利点があるんですよね。『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』、『ロキ』も本当に楽しみ!
ちなみにインタビューの中に登場したコミック『ヴィジョン』は元CIAという異色の経歴でも知られているコミック作家のトム・キングの作品。ネタバレはしませんが、まぁとにかく凄い作品で 『ワンダヴィジョン』と関係がなくたってぜひチェックして欲しい作品です。かなり独立している作品なのでいきなり読み始めてOKで、日本語版もでてますよ!
Disney+(ディズニープラス)のオリジナルドラマシリーズ『ワンダヴィジョン』1月15日(金)から日米同時配信。