針を使わずに血糖値を測れるスマートウォッチ #CES2021

  • 100,903

  • author ヤマダユウス型
  • X
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
針を使わずに血糖値を測れるスマートウォッチ #CES2021
Image: Quantum Operation Inc.

スマートウォッチを持つ意味を大きく変える可能性がある、かも。

国内企業の株式会社クォンタムオペレーションは、オンラインで開催されているCES2021にて、針を使わずに血糖値を計測できるスマートウォッチを披露しました。AppleWatchのようにも見えるTOP画像のスマウォ、これで血糖値が測れちゃうという。

秘密はスマウォの背面の分光計に使われている特許取得済みの分光材料にあり。通常のスマウォが心拍数を計測するのと同じような手順で、血中のブドウ糖を計測します。もちろん、心拍数や心電図などのバイタルサインの計測も可能。

210114bloodglucoselevelwatch_02

これは商用利用されている血糖値スキャナ「FreeStyleLibre」と、同社のセンサーを使った血糖値測定のグラフ。黒字がFreeStyleLibre、赤字が同社のセンサーです。それなりの誤差が確認でき、インスリン投与の目安にするにはやや心許ない精度ではあるものの、近い数値は出せているのがわかります。

210114bloodglucoselevelwatch_03

スマウォによる非侵襲的(針を使わない)な血糖値測定は、ある種の悲願でもあります。過去には0.5mmの針を使って血糖値を測定するスマウォもありましたが、チクっとするスマウォとか、ちょっとねぇ…。血糖値の測定は採血が必要ですから、個人で測定する場合も穿刺(せんし)器具を使うのが一般的です。だから心拍数や心電図に比べ、血糖値の測定は難しい。

もしスマウォでほぼほぼ正確な血糖値測定が可能になれば、かなりのメリットがあります。糖尿病予防、GI値上昇の目安、インスリン投与のタイミングなどなど。スマウォとアプリを連携させれば、日々の運動や食事データから見直すべき要素がわかったり、医療機関と連携していれば高血糖予防のアドバイスがもらえたりするかもしれません。

思えば昨今はコロナ禍によって、全人類的に運動量が減少しています。通勤だって運動でしたから。自宅テレワークでの運動不足、座りっぱなしからの急な食事など、今こそ血糖値測定が必要なタイミングといえなくもない、と個人的には思います。まぁ運動しろってことなんですががが(自戒)。

株式会社クォンタムオペレーションが披露した技術は、スマウォやウェアラブルを革新させる可能性があります。心電図や心拍数はピンとこなくても、血糖値が測れるってなったらマジで実用的ウェアラブルですからね。

Image: Quantum Operation Inc.

Source: Engadget1, 2, アボットジャパン