第７９期名人戦Ａ級順位戦　佐藤康光九段－佐藤天彦九段　第２７局の２

不満の駒組み

　佐藤康はＡ級最年長の５１歳。Ａ級在位は名人２期を含めて通算２４期。現Ａ級中では羽生に次ぐ実績を誇る。１度Ａ級から滑り落ちる苦い経験をしているが、１期で返り咲きを決め、早いもので復帰して１０期目を迎えた。

　一方の佐藤天はＡ級連続６期目を数える。第７４期にＡ級初参加にして挑戦権をつかみ、当時の羽生名人からビッグタイトルを奪取。その後も２期連続で防衛して３連覇を果たしたが、第７７期に豊島に名人の座を明け渡して以降、無冠が続く。１月生まれで間もなく３３歳の誕生日を迎える。

　佐藤天の名人就位は世代交代の契機となった。それまで、挑戦はすれども奪取には至らなかった豊島が、佐藤天に続いてタイトルを取りはじめ、いまや、さらに若い永瀬拓矢王座や藤井聡太王位がタイトル争奪戦に加わるようになった。