【求められる意識改革】"育休取得"どうだった? 熊谷組男性社員5人が座談会で自身の経験語る | 建設通信新聞Digital

4月18日 木曜日

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【求められる意識改革】”育休取得”どうだった? 熊谷組男性社員5人が座談会で自身の経験語る

 男性社員による育児休暇の取得に関心が集まっている。厚生労働省が7月に発表した雇用均等基本調査の速報値によると、2019年度における男性の取得率は7.48%(対前年度比1.32ポイント増)。着実に伸びてはいるが、いまだ男性の育児休暇が“市民権”を得ているとは言い難い。働き方改革に向き合う中で、男性でも取得しやすい企業風土や環境づくりが求められている。

 こうした中で熊谷組は12日に育児休暇を取得した男性社員5人による座談会を行った。
 座談会の実施は、14年度に2.3%(1人)だった男性による育児休暇の取得率が19年度までの5年間で20.9%(9人)に上昇するなど、女性社員だけでなく、男性社員も子育てしやすい環境づくりに取り組んでいる同社としても初の試みになる。

座談会中はマスクを着用した


 育児休暇を取得した男性社員の“声”を集約することで、多様な働き方を可能とする職場環境の整備や今後、育児休暇を取得する社員へのフォローアップの材料として活用していく狙いがある。

◆新型コロナ契機に取得
 座談会は20年度に育児休暇を取得した男性社員5人(施工部門2人、設計部門2人、管理部門1人)が参加。仕事の引き継ぎ方法や周囲の反応、金銭面での不安、休暇中のエピソードなどを語り合った。

 上司からの勧めや工事完了のタイミングに合わせた取得など、きっかけはさまざまだが、例えば、新型コロナウイルスによる保育園への入所時期の延期を受けて育児休業を取得したケースや、立ち会い出産のために2週間の自宅待機が必要となったことで、産前のテレワーク対応と産後の育児休暇を組み合わせて取得したケースもあった。

◆テレワークと組合わせも
 共通していたのは、育児休暇の取得などに柔軟に対応できる組織づくりやマネジメントの重要性。同社は育児休暇の取得促進だけでなく、1日から導入したテレワーク制度を組み合わせることで、社員が仕事とプライベートを両立できる多様な働き方を積極的に推進していく。

 櫻野泰則社長は「誰もが働きやすい環境をつくるために、男性も主体的に育児や家事を行う必要がある。上司や周囲が理解を深めるのと同時に働き方を見直すことで、会社としてもさらなる成長につなげられると考えている」と話す。

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