建設技術研究所は、個人で使える水災害リスクマッピングシステム「Riskma(リスクマ)」で、リアルタイムに近くの川の水位や潮位を把握できる「Riskmaバーチャル水面マップ」の提供を9日から開始した。これまで「点の情報」しかなく、専門的で分かりにくかった河川の観測水位と海岸の観測潮位を、独自の水災害リスクマッピングにより仮想的な水面として計算し、水位と地盤高の差を地図上に表現する。主に1級河川本川と全国の海岸線付近を対象としており、特許出願中。今後2級河川にも対象を拡大してサービスを拡充する予定だ。
リスクマは、従来の気象情報からでは分からなかった浸水リスクの予測情報を法人・個人問わずに活用できるよう2017年から無料配信しており、雨雲レーダー情報や短時間ゲリラ豪雨情報も閲覧できる。
今回提供開始したバーチャル水面マップでは、河川水位の上昇に起因する氾濫や内水氾濫、バックウォーター現象による氾濫などの浸水リスクを、パソコンやスマートフォンなど手元の端末でいつでも簡単に確認できる。
同社は、平常時には身近な河川水位・潮位に興味を持つツールや学校での防災・減災教育の教材などに、豪雨時にはこの情報をもとに住民の避難判断や浸水による事業活動中断の判断が必要となる企業、交通渋滞リスクを回避したい物流・交通事業など、ニーズに応じたさまざまなシーンで活用できるとしている。