伝説的デザイナー、ロン・トーラナックが95歳で死去…ホンダ、黎明期からの功労に感謝と追悼

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モータースポーツ界の伝説的デザイナー兼エンジニアと知られたロン・トーラナックが2020年7月17日に95歳で死去した。家族がSpeedcafe.comを通して声明を発表した。

弟のオースティンと共にレーシングカーを作り上げ、自分たちのイニシャルを取ってコンストラクター「ラルト」を創設。ジャック・ブラバムとの運命的な出会いを経てMotor Racing Developmentsを設立すると、F1からフォーミュラ・フォードに至るまで様々なシングルシーターの設計・開発を行い、そのすべてに「ブラバム」の名を冠して名声を築き上げた。

ロン・トーラナックの2人の娘、ジャンとジュリーは17日に「ロンは金曜早朝、オーストラリアのクイーンズランド州サンシャインコーストにある自宅で穏やかに亡くなりました」との声明を発表した。

「活動的であり健康的であり、最後まで自立していた彼は、常に何かを達成する必要性を感じながら、次の目標を見据えていました。彼は決して自分の栄光に安住する事なく、鋭い工学的思考を持ちづつけていました」

「最近、これまでに設計した中で最高の車は何かと聞かれた時、彼はためらうことなく”次の車”と答えました。彼は並外れた人生を送ってきました」

「私たちは、彼が成し遂げたことを心の底から誇りに思っており、そんな彼の死を深く悲しんでいます」

ホンダ製エンジンを搭載して1980年代のF2を席巻するなど、ロン・トーラナックは本田技研工業との関係も深かった。ブランド・コミュニケーション本部長を務める渡辺康治氏は訃報に触れて、追悼のメッセージを発表した。

「1966年のF2選手権でのホンダ11連勝、1983年~84年のヨーロッパF2選手権での12連勝の立役者であり、鈴鹿レーシングスクールフォーミュラの初代訓練車の設計を担当いただくなど、ホンダのレース活動を黎明期から常に支えていただいた功労者であるロン・トーラナック氏に感謝をささげるとともにご冥福をお祈り申し上げます」