自民党の前衆院議員金子恵美氏(41)が6日、TBS系「サンデー・ジャポン」に出演し、政治家引退を宣言した。金子氏はこの後、取材に応じ、今後は選挙に出ることはないものの、講演活動などの政治活動を行うと明かした。

また、比例北陸信越ブロックで次点だが、万が一、繰り上げ当選となった場合は「辞退します」と明言した。

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金子氏は政治家引退の理由をいくつか挙げた。「私の力不足で、自民党新潟県連とのあつれきを解消できなかった。(党県連)県議の方々とは、政治とお金の価値観が違った。お金にクリーンであることは譲れないことだった」と説明した。今年5月、金子氏の苦しむ姿も見てきた父親を亡くしたことも大きかった。

16年、金子氏が妊娠中に衆院議員だった夫の宮崎謙介氏(38)の不倫が報じられた。金子氏への逆風も強まり、翌17年10月の衆院選に新潟4区から出馬も、菊田真紀子氏(49)に敗れ、落選。比例北陸信越ブロックでも次点で落選した。

県連は金子氏が前回衆院選で出馬した自民党の衆院新潟4区の支部長は、党県連が先月末、三条市の国定勇人市長(47)が就任することを承認。金子氏は「後任の方(=国定氏)は敵方だった方(=菊田氏)を応援した方。がくぜんとした」と明かした。ある党県連関係者は「前回の選挙以降、県連に特に連絡もない」と不快感を示すなど、埋まらない溝があるようだ。

現在、自民党では、北陸信越ブロックの石崎徹衆院議員(35)が秘書への傷害と暴行の疑いで書類送検されている。石崎氏は辞職を否定しているが、起訴された場合、裁判の結果次第で失職の可能性もある。この場合、次点の金子氏が繰り上げ当選するため、去就が注目されている。金子氏は繰り上げ当選した場合について「地元新潟で活動していないので、辞退させていただきます。手続きが必要となれば、離党手続きを取る形になる」と話した金子氏が離党または、自民党が金子氏を除名した場合、比例名簿から除外され、次点は長野1区から17年の衆院選に出馬し、落選した小松裕氏(57)となる。

今後については「子育てをしっかりする中で、男女共同参画など行政に関する講演や討論番組出演など、政治活動は続けます」と語った。【近藤由美子】