【開催見解】第5回門別競馬(6/11~20 重賞:北海優駿(ダービー)、ヒダカソウカップ )

 6月6日に行われた今季第一弾となる統一ダートグレード競走の第23回北海道スプリントカップ(3歳以上オープン、1200m)は、1番人気に支持されたヤマニンアンプリメが3番手外々を余裕を持って追走、直線で難なく抜け出して3馬身差の快勝。重賞初制覇を飾るとともに、今年から新規調教師となった長谷川師にも初重賞をプレゼント。2着には砂を被ることもなく外々を追い上げた地元のメイショウアイアンが入り波乱となったが、昨年は盛岡のクラスターカップにも遠征しているのだから、9歳という年齢だけで軽視した点は猛省点。また、5月30日に行われた第43回北斗盃(3歳オープン、1600m内)は、今季、3歳条件、古馬A3以下を連勝してきたリンゾウチャネルが、好位置からジワッと進出。直線、ジョウランとの追い比べを制して重賞初制覇。圧倒的な人気に見事に応えた。初めての内回りをいとも簡単にクリアしたあたり、この強さは間違いなく本物。新興勢力が見当たらないだけに、二冠目となる北海優駿(6月19日)も単なる通過点になりそうだ。ホッカイドウ競馬の絶対王者スーパーステションは、6月26日に大井競馬場で行われる「帝王賞」に地方の他地区枠に選定されたため、帝王賞に向けて歩を進める予定。昨年暮れのGI東京大賞典の走りが良かっただけに、今から楽しみになってきた。なお、今開催から3歳条件戦(JRA交流戦以外)が姿を消し、すべて古馬条件に組み入れられた。例年通り、低条件戦では3歳有利は肝に銘じたい。

 

【重賞レース】

○第47回北海優駿(ダービー)登録馬 3歳オープン 距離2000m

・リンゾウチャネル

・ジョウラン

・スティールティアラ

・イッキトウセン

・シベリアンプラウド

・ミスシェーンハイト

・ルフィアンキック

・リンノレジェンド

・ダイキンボシ

・アルバス

・リコーサラトガ

・クールギブス

 

【展望】冒頭にも記述したが、北斗盃のリンゾウチャネルにとっての唯一の死角は、特異なペースに陥りやすい初めての内回りでの対応だったのだが、好位追走から4角先頭、そのまま2着馬に3馬身差をつける堂々たる勝ちっぷりを演じている。単に逃げるだけではなく、ペースに応じてどんな競馬でもできるのだから、これ以上の安定感、信頼感はない。今季緒戦の1700mの牡羊座特別、前々走の古馬A3以下では、スンナリと1800mをクリア。折り合いに心配のないタイプなので、未知となる2000mにも、勿論、問題はないだろう。ズバリ、二冠制覇へ。相手探しの重要なポイントは、北斗盃の内回りから外回り2000mになる点に着眼するのが一番だが、その中で大きく変わってきそうな のが、北斗盃5着のリンノレジェンドだろう。今季緒戦となった牡羊座特別ではリンゾウチャネルから0秒3差2着に続いており、北斗盃では意外にも馬体に重目が残っていたことを考慮すれば、巻き返しは必至のはずだ。遠征先の大井で1800mを勝ち上がっているのも頼もしく映る。キャリア2戦の身でありながら、北斗盃3着のシベリアンプラウドも、その一戦で将来展望が大きく開けたのは言うまでもない。以下、北斗盃2着のジョウラン、4着のミスシェーンハイトまでが馬券の対象になりそうだ。

 

○第5回ヒダカソウカップ登録馬 3歳以上オープン 牝馬 距離1600m(内回り)

・アップトゥユー

・クロスウィンド

・タイムビヨンド

・スターレーン

・アルティマウェポン

・ディナスティーア

・クオリティスタート

・ジュンアイノキミ

・ソーディスイズラヴ

・シンデレラマキ

・ペイシャガンセ

 

【展望】昨年のヒダカソウカップはディナスティーアの2着だったアップトゥユー。その後、終盤の1200mで連勝。休養明けをひと叩きされた前走でもA1以下特別を自力勝負に持ち込んで快勝しており、5歳を迎えてさらに成長した姿が見て取れる。昨年の雪辱を胸に、前走後はこのレース一本に的を絞って調整されている。アルティマウェポンは昨年4着馬。冬場は南関東に武者修行。牝馬限定の重賞レースばかりを4走。TCK女王杯では4着入線を果たしており、昨年よりも地力をつけてきたのは明らか。今回は重かった馬体も絞れてくるだろうから、体調面に不足はない。昨年5着のクオリティスタートも川崎の中距離戦で2勝を積み上げて帰ってきた。以前の手堅さは健在だから、上位というよりも首位争いに加わってくるのは確実か。昨年の覇者ディナスティーア、若くて伸びしろ十分なクロスウィンドと続く。

 

【初日特別3鞍】

○6月11日10R ジャスミン特別 3歳以上C1-2組以下 距離1200m

1.オールステリーナ

2.ラトーヌシャイン

3.カリエラ

4.グランロディア

5.ミスギオンデジタル

6.ミコジェンヌ

7.メイショウカゲロウ

8.バッテリーパーク

 

【展望】約7カ月ぶりの実戦で転厩緒戦となった前走は、2番手から楽に抜け出したオールステリーナ。中央では芝ばかりを4戦して、あと一歩のところで勝ち切れなかったが、昨年、盛岡では2戦2勝だから、地方では3戦負け知らずの戦績。この相手なら、順当に相手探しと判断していいだろう。久々に勝利を飾って軌道に乗った感のあるグランロディア、約1年ぶりの実戦でも、能検の動きが良かったカリエラが有力。好調持続のラトーヌシャインは前崩れを待って浮上へ。

 

(厩舎の談話)

1.オールステリーナ まだ粗削りな感じはしますが、門別のダートも難なくクリアしてくれ、先が楽しみな走りをしてくれました。昇級でもやれると思います。

2.ラトーヌシャイン 展開が嵌まったといえばそうなんですが、タイムを詰めていますので、体調が上向いてきたのは確かです。大きな見劣りはないと思います。

3.カリエラ 長いブランクがあった馬ですが、能検の走りに地力の高さが感じられました。久々なのでその分のハンデはあるでしょうが、メドを立てたいですね。

4.グランロディア 昇級戦ですが、以前はこのクラスで差のない勝負をしていた馬ですから問題はありません。安定した状態ですので、上位争いを期待しています。

5.ミスギオンデジタル 力関係は何とも言えないものの、佐賀ではそこそこの競馬をしていました。距離適性など、まずは一度走りを見てからかと思っています。

6.ミコジェンヌ 短距離での変わり身に期待しましたが、何とも言えない内容でした。中央でデビューした頃の走りができれば間に合うはずですが、半信半疑です。

7.メイショウカゲロウ タフな馬場でもこの馬なりに頑張ってくれています。前走よりもクラスが下がっていますので、チャンスは広がった感じがします。

8.バッテリーパーク 前走は着順を落としましたが、走りそのものは前々走と変わらないレベルです。展開が向けば、浮上のチャンスはあるでしょう。

 

○6月11日11R 妹背牛温泉ペペル特別 3歳以上B4-2組以下 距離1800m

1.サンドアート

2.シーズラック

3.ヤマニンフライハイ

4.ウインディシティー

5.スターオブソレイユ

6.バトルハクオウ

7.カヤク

8.スピリア

9.センノデバギヤ

10.ネル

11.ビービーボヌール

12.センコーハーバ

 

【展望】3連続2着惜敗のバトルハクオウは、その3戦とも先行馬の渋太い抵抗にあったわけだが、言い換えれば、先行馬向きの展開にしてやられた格好。前走は後方から4角手前で早くも3番手。自力で押し上げる手段も整えつつある。勝ち味に遅い点は認めつつも、軸馬としては打ってつけの存在であることは間違いない。ここにきて2連勝中のシーズラックは、今の充実ぶりは凄いもの。逆転があるとすれば、この馬が筆頭。新味を求めて距離を延ばされてきたネル、坂路の時計が前走以上のヤマニンフライハイもクラス慣れが見込めるだろうから、巻き返しの警戒は必要。

 

(厩舎の談話)

1.サンドアート前走の下がり方を見ると、転入前の負けを引きずっている感じもあります。力を出し切ってくれればとは思いますが、まだ掴み切れませんね。

2.シーズラック 少頭数で楽な競馬ができての連勝ですから、思い通りにいかない可能性は見ておかなければなりません。今回は試金石という感じがしています。

3.ヤマニンフライハイ 前走は勝ち馬に離されましたが、それ以外と差はありませんでしたね。ひと開催休ませていい状態をキープ。巻き返しをと思います。

4.ウインディシティー 前走は思ったほど弾けてくれませんでした。流れが落ち着いてしまうと、器用さがないだけに味が出ません。力は通用するはずです。

5.スターオブソレイユ 前走の最後はレースをやめてしまったようで、伸びませんでした。力を出し切れればもっとやれるはずなので、今度は前進をと思います。

6.バトルハクオウ 崩れることはないでしょうが、勝機を掴むには多少の展開の味方がほしいところです。タイミングが掴みやすい適度に速いペースが理想です。

7.カヤク ムラな気性とはいえ、状態の良さがレースにつながりませんからね。この条件では厳しいんだと思います。

8.スピリア 前走も終いはこの馬らしい脚を使っているんですが、1800mだとあれが精一杯かもしれませんね。ここも自分の競馬をするだけでしょう。

9.センノデバギヤ 順調に使えるようになり、少しずつは上向いているんです。往時の力を求めるのは酷かもしれませんが、そろそろいい面を見せてほしいです。

10.ネル 馬体の造りなどから、長い距離を試したいと思っていました。集中力が長続きしない嫌いがあるので、うまく勝負どころでそれを引き出せればと思います。

11.ビービーボヌール 伸び切れなかった前走ですが、悲観するほどの内容ではありません。いい意味でデキは変わりなくきています。流れひとつだと思っています。

12.センコーハーバ 自然体で走らせてやれば長い距離でも力を出せることが分かりましたので、前走は大きな収穫がありました。勝機も十分にあるでしょう。

 

○6月11日12R おしゃまんべ毛がにまつり特別 3歳以上B4-2組以下 距離1200m

1.ラヴァクール

2.アンテレクテュエル

3.シーホース

4.ディーズアマーレ

5.ボンネット

6.ブリリアントアリス

7.リボース

8.ペンタス

9.ブルーフォース

10.テルタイザン

11.ツル

 

【展望】今季緒戦では展開のアヤで初めて馬券対象から外れたボンネットだったが、その後はポンポンと2連勝と、大型馬が完全に軌道に乗ってきた。今回はB級混合の一戦となるが、依然として坂路の反応は上々。昇級の壁は存在しないと判断したい。転入後、一進一退を続けているシーホースが短距離戦に矛先を向けてきた。控える競馬で一瞬の脚が生かせるなら、大きく変わっても不思議はない。また、狙って妙味がありそうなのが、転入緒戦のテルタイザン。小回り園田では追い込めなかったが、広く直線の長い門別なら持ち味の末脚は威力を増すはず。同様に前崩れの展開を待つディーズアマーレ、リボースの両馬も混戦になれば、浮上シーンへ。

 

(厩舎の談話)

1.ラヴァクール 前走は今シーズンこれまでにはなかった終いの反応を見せました。徐々に体調は上向いているので、同じ脚が続けて使えるようなら楽しみです。

2.アンテレクテュエル やはり1200mが合うんですね。前走も3着とはいえ接戦で、手応え十分の内容です。流れに乗って行ければ、上位争いができると思います。

3.シーホース 力は足りる馬なんですが、走りにムラがありますからねえ。アテにしづらいタイプです。1200mに変わり身を求めてみますが、どんなものでしょう。

4.ディーズアマーレ 前走はこの馬なりに差を詰めてはきましたが、もう少し軽い馬場の方が伸びがいいように思います。状態はいいので、ひと雨ほしいですね。

5.ボンネット 連勝でクラスが上がってきましたが、時計面は互角以上ですから気になりません。前開催を休ませたのは予定の行動、変わりなくいい状態ですよ。

6.ブリリアントアリス 行きっぷりが悪くて、前走は案外な結果に終わりましたね。馬具を工夫した方がいいかもしれません。

7.リボース 不器用なタイプで、どうしても直線勝負になってしまいますから、ここも展開次第ですね。状態に関してはいい状態をキープできていますが……。

8.ペンタス 走りにこの馬らしさが戻りつつありますね。前走でも差のないところまで追い上げてきていましたから、あとはもうメンバー次第だと思っています。

9.ブルーフォース 本調子に近い状態になっていた前走ですが、ズルさを出して反応しませんでした。そこに気をつけてしっかり追ってくれば変われると思います。

10.テルタイザン 転入緒戦なのでやってみないと何とも言えませんが、能力的にこのクラスなら間に合っていいのではと思っています。メドを立てたいですね。

11.ツル 前走はようやく走る気持ちを見せてくれました。いい頃の気合が戻ってきた感じもあるので、同じくらいは走れるだろうと思っていますよ。

 

(競馬ブック・松本英博)

 

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