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カテゴリ:大川 充夫
ミツオーです。梅雨入りしたらしたで、早く明けてほしいのです。 さて、みなさまダービーシリーズ2019、お楽しみいただいていますでしょうか。 わたし自身はここまで、6月4日におこなわれた石川ダービーと、翌5日におこなわれた東京ダービーの2ダービーをナマ観戦し、ダービー馬の座をめぐるドラマを目撃しました。 石川ダービーは今年が第3回。 山中アナウンサーも書いたとおり、ここまでの2回は、 第1回 ヴィーナスアロー 吉原寛人騎手 金田一昌調教師 第2回 アルファーティハ 吉原寛人騎手 金田一昌調教師 と、騎手・調教師ともに連覇。ついでに言うと、2頭の優勝馬はいずれも父がパイロ。 創設3連覇が3つもかかる、今年の石川ダービーでした。 今年の出走メンバーにパイロ産駒はなく、パイロの3連覇こそなくなりましたが、吉原騎手は一冠目の北日本新聞杯を勝ったスターキャデラックに騎乗。金田調教師は、チクリ・マナミラー・スタークィーン・ロンギングルックの4頭出し。 今年はライバルとして、各々が3連覇を目指しました。 結果は…。 金田一昌調教師の管理するロンギングルックが、北日本新聞杯3着から見事な逆転で、2着のスターキャデラック以下に大差をつける圧勝。 金田調教師は石川ダービー3連覇達成!中島龍也騎手は初ダービー制覇となりました。 (金田一昌調教師、石川ダービー創設から3連覇!!!) 一カ月前、ここでご紹介した中島龍也騎手の「負けコメント」、覚えていらっしゃいますでしょうか? おさらいしておきますと、金沢3歳戦線の第一弾・北日本新聞杯は、吉原騎手のスターキャデラック(加藤和義厩舎)が好位から抜け出して優勝。勝負どころの3コーナーから直線いっぱいをつかった攻防は激しく、見ごたえのあるものでした。 (北日本新聞杯優勝→石川ダービー2着 スターキャデラック) (北日本新聞杯2着→石川ダービー3着 ニューホープ) ここで3着に敗れたロンギングルックの中島騎手は、 「完敗。展開から何から全部思ったとおりになったし、馬もよく動いてくれたのに勝てなかった」 と、ライバルの強さをたたえるコメントをくれたのでした。 石川ダービーにむけては「成長に期待する」と言ったようにお伝えしましたが、実はコレ、あまりにも「完敗でした、完敗です」を繰り返す中島騎手に、わたしが「一カ月後にむけて成長に期待ですね?」と振ったものに対して、 「……そう、ですね…」 と答えてくれたのを、「成長に期待」と書いたものでした。 まあアレですわ、「全然かないそうにない」とでも言わんばかりの雰囲気でした、とは書けないし書きたくないので、ちょっと手心を加えたということです。一応、ウソじゃないし。 これを踏まえての一カ月後の石川ダービー。 ロンギングルックは見事に優勝。しかもライバルに大差をつける圧勝。 パートナーの中島騎手も、 「ビックリした」 という強さでした。 (どこか誇らしげなロンギングルック) 中島龍也騎手 表彰式でのインタビュー 「ありがとうございます! めちゃくちゃうれしいです! 最高です! 夢にまで見たダービージョッキーになれて、ホントにうれしいです。 直前の追い切りの動きとかも非常によくて、自信もって乗れそうだなっていうふうに聞いていたので、馬を信じて全力で乗ってきました。 ホントだったら、4コーナーから直線に向くまで、ギリギリまでガマンしていこうと思ってたんですけど、ロンギングルックの手ごたえがあまりにもすさまじかったので、(4角手前で)もう(前に)出てしまいました。 (強さに驚いた?)はい、ビックリしました。 (この馬は)もっともっと上へ行けると思うので、楽しみにしています。 今日は本当にお忙しい中、ご来場ありがとうございます。無事、ダービー勝てて非常にうれしいです。またこれからも一歩一歩精進していくので、応援よろしくお願いします。 今日はありがとうございました!」 5日、大井競馬場では第65回東京ダービーがおこなわれました。 圧倒的人気は羽田盃の勝ち馬・ミューチャリー。 とにかくその羽田盃での末脚がものすごく、差し・追い込みの数多く決まっていたこの日の馬場も味方して、その再現がダービーの舞台でも見られるかも?と思った方は多かったのではないでしょうか。 しかしそのミューチャリーを負かした経験のあるヒカリオーソが、先行して抜け出し、後続を封じました。 管理する岩本洋調教師は、 「雲取賞を勝ったときに、雲取山は東京都で一番高い山だというので、何か、ダービーを勝てるんじゃないか、という気がした」 と、この日の勝利を春も浅い時期に予感していたのだとか。 (インタビューにこたえる岩本調教師) 山崎誠士騎手も、 「はじめてまたがったときから、スゴい馬だと思っていた」 というヒカリオーソが、父・フリオーソの果たせなかった東京ダービー制覇を成し遂げ、山崎誠士騎手も、父・山崎尋美騎手(現・調教師)の届かなかったダービージョッキーの称号を手にしたのでした。 (山崎誠士騎手 前日の事故と負傷した柏木健宏騎手への想いを口にして涙ぐむシーンも) 山崎誠士騎手 表彰式でのインタビュー 「ありがとうございます! めちゃくちゃうれしいです! この馬のスムーズなレースをさせてあげようと考えていて、ペースもはやくならなかったので、折り合いもついたし、レース自体はすごくよかったと思います。 (抜け出してから長かったのでは?)みなさまの声援があって、最後までがんばって走ってくれましたね。 調教試験あけで、ちょっと半信半疑なところもあったんですけど、スタッフのみなさんが懸命に仕上げてくれたおかげで力を出すことができたと思います。 まだまだすごいポテンシャル持ってる馬だと思うので、これからも活躍できると思っています。 少しでも、一歩でも親父に近づけたと思うと嬉しいです。 本日は大井競馬場にご来場くださってありがとうございます。 昨日ちょっと大きな事故があって、すごく心が痛んでいたんですけど、しっかりレースをすることでいい顔を見せられたらなと思い、がんばりました。 今日は本当にありがとうございました」 石川ダービーの中島龍也騎手、東京ダービーの山崎誠士騎手、いずれのインタビューもわたくしが聞き手をつとめました。 二人が二人ながら、同じ言葉で喜びを表現しています。 「ありがとうございます!めちゃくちゃうれしいです!」 そうとしか言えないほどの喜び。 ダービーに勝つというのは、そういうモノなのでしょう。 (東京ダービー表彰式での記念撮影 ゲストはデヴィ夫人) 各地でダービーがおこなわれ、たくさんのドラマに感動してきましたが、今年のシリーズも半ばを過ぎ、残すところ、 東海ダービー(明日) 高知優駿(16日 日曜日) 北海優駿(19日 水曜日) の3ダービー。 まだまだ続く頂点をかけての戦いを、みなさまどうぞご堪能ください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年06月10日 09時00分12秒
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