国内女子ゴルフの今季注目選手14人を紹介する連載の3つ目のテーマ、「初優勝を目指す新世代」の3人目は小祝さくら(20=ニトリ)。初優勝こそ、黄金世代の同期新垣比菜や勝みなみに先を越されたが、トップ10以内13回と安定した実力を発揮した。プロ2年目の19年は、初優勝はおろか、賞金女王争いも期待できる逸材だ。

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「どんだけ2位になればいいんだろ」

わが身のふがいなさを嘆いたのは、今季4度目の2位に終わった10月の樋口久子・三菱電機レディース最終日だった。

18年のツアー全38試合に出場し、2位4回、3位1回、4位1回、5位2回…。トップ10以内に13回も入った実力は誰もが認めるところだ。

優勝するために必要なものは? その問いへの答えの1つは意識改革だろう。LPGAが開催した昨年12月の新人研修セミナー。小祝は「メンタルの講義で少し考え方が変わった」と話した。プレー中にイライラしたときなど、その状況を受け入れ、いかに切り抜けるか楽しむことを学んだ。プロになって、優勝争いを続けることで、今までにない緊張や、消極性が出て終盤崩れることが多かった。そんな自分の状況を見つめ直した。

オフには、韓国旅行や、コンサート、プロレス観戦などで気分転換。その後は、ハワイや宮崎合宿で新しいシーズンに備えた。「ショットは維持しつつ、アプローチや、グリーン周りの寄せとか、小技を磨きたい」と課題も明確だ。

昨年の賞金ランクは、初優勝こそ勝みなみや新垣比菜に譲ったが、黄金世代ではトップの8位。今季は、念願の初優勝を果たし、文字通り黄金世代のトップランナーとして女子ゴルフ界を引っ張る存在になる。【桝田朗】

◆小祝さくら(こいわい・さくら)1998年(平10)4月15日、北海道帯広市生まれ。8歳でゴルフを始め、飛鳥未来高1年の14年には北海道女子アマ、全日本高校選手権春季大会優勝。16年のニッポンハム・レディースでは初日に65をマークし首位発進するなど、8位で終え注目された。17年7月のプロテストに合格。18年のLPGA新人賞、敢闘賞を受賞。158センチ。