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ふつうのJavaアプリ開発のための自動テスト戦略 / JJUG CCC 2018 Fall

Ryo Shindo
December 14, 2018

ふつうのJavaアプリ開発のための自動テスト戦略 / JJUG CCC 2018 Fall

JJUG CCC 2018 Spring #ccc_l1a

Ryo Shindo

December 14, 2018
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Transcript

  1. Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 1

    ふつうのJavaアプリ開発のための 自動テスト戦略 JJUG CCC 2018 Fall #ccc_l1a Acroquest Technology株式会社 進藤 遼 (@shindo_ryo)
  2. 自己紹介 • 進藤 遼 • Acroquest Technology株式会社 • アーキテクチャ考えたり コード書いたり

    • 前回のJJUG CCCではJUnit 5について話しました 後輩からは「またテストの話してる・・・」とか言われたよ! • Twitter: @shindo_ryo Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 2 『Java本格入門』発売中!
  3. 問題の背景 ◼ とある大規模なECサイトのバックエンド開発 • お客様のチームのほかに大きなベンダが数社 開発を担当している • 各APIがHTTPで相互に通信している - マイクロサービス的だが、そこまでマイクロでもない

    • Java 8 + Spring Boot - DBアクセスはMyBatisで、割と一般的なつくり • 開発の途中から参画 - 他ベンダが開発したモジュールの品質改善に取り組むことに Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 4
  4. 問題の背景 構成図 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights

    reserved. 5 Front API DB Cache Service API DB Cache Service API DB Cache Service
  5. 問題の整理 ◼ そもそもなぜテストを自動化するのか? • リグレッションテストの工数を減らしたい - 簡単にテストを繰り返し実行したい • テストの再現性を高めたい -

    誰がやっても同じテストになるように - 属人性の排除 • そして何よりフィードバックを高速化したい! - プルリクごと、コミットごとに壊れていないかを確認 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 11
  6. 問題の整理 ◼ よいテストコードとは スコープが整理されている - クラス名、パッケージ名、構造などからテスト対象、 スコープがわかる 環境依存が最小限 - 「Aさんの環境では動くのにBさんの環境では動かない」

    で右往左往するのは時間のムダ テストの実行が速い - 速ければ速いほど、気軽にテストを実行できるようになる Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 12
  7. 自動テストは、効率的な開発サイクルを支え、 開発者への素早いフィードバックを可能にする Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights

    reserved. 13 セットアップ 実装 テストコード作成 テスト実行 欠陥を早期に知る 修正 そのために自動テスト自体が高速で容易に 実行できるものになっていなければならない
  8. Step 1: 構造を見直す ◼ テストにはフェーズに応じたスコープがある • おそらく最も使われる分類が、単体テスト、結合テスト、 システムテスト、ユーザ受け入れテスト、etc… - 「単体」とは?クラス単体?API単体?

    - プロジェクトで合意が取れていれば問題ないが、 往々にして認識がずれがち • Googleは「テストサイズ」という分類でスコープを定義し ている - S(small)テスト、M(medium)テスト、L(large)テスト Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 18
  9. • テストサイズ by Google Step 1: 構造を見直す Sテスト Mテスト Lテスト

    ネットワークアクセス モック localhostのみ ◦ データベース モック ◦ ◦ ファイルアクセス モック ◦ ◦ 外部システム モック 非推奨 ◦ マルチスレッド × ◦ ◦ スリープ文 × ◦ ◦ システムプロパティ × ◦ ◦ 実行時間の上限 60秒 300秒 900秒以上 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 19 https://testing.googleblog.com/2010/12/test-sizes.html Sサイズテストでは モックを多用する
  10. Step 1: 構造を見直す • レイヤーごとに役割を確認する Copyright © Acroquest Technology Co.,

    Ltd. All rights reserved. 20 Controller Service Repository バリデーション JSONバインディング 業務ロジック DBアクセス(SQL) DB API
  11. Step 1: 構造を見直す • Sサイズテストはレイヤごとの役割のテスト に集中する Copyright © Acroquest Technology

    Co., Ltd. All rights reserved. 21 Controller Service Repository DB @WebMvcTest POJOとしてテスト @MybatisTest
  12. Step 1: 構造を見直す • Mサイズテストとして、 すべてのレイヤを結合 してテストする Copyright © Acroquest

    Technology Co., Ltd. All rights reserved. 22 Controller Service Repository DB API Request/Responseを 実際に投げてテスト (@SpringBootTest)
  13. Step 2: 脱・環境依存 ◼ どれだけ手順を簡単にできるかを考える • 大抵変わらない設定はデフォルト値をセットしておく - DBの接続先など -

    人によって変わるものは環境変数で切り替えられるようにする • セットアップが必要であればREADMEに収まる程度で - 長大なセットアップ手順書←読まれない&更新されないやつ • DBテストの環境をどうするかは悩ましい・・・ - 組み込みDB?外部DB? Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 24
  14. Step 2: 脱・環境依存 利点 欠点 モック ・最も高速 ・SQLのテストができない 組み込みDB (H2,

    HSQL) ・起動が高速 ・再現性が低い (SQLの互換性など) 外部DB ・本番DBとほぼ同じ構成 の環境を使える ・環境依存になる ・複数人が同時にテスト すると更新が競合する ことがある Dockerコンテナ (ローカル) ・本番DBと同じプロダクト、 バージョンを使える ・Docker自体の問題に ハマる Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 25 Dockerコンテナを選択
  15. Step 3: テストの高速化 ◼ 問題点の確認 計測したところ、Springコンテナの起動時間が テスト実行時間の大部分を占めていた。 なおかつテストクラスごとにコンテナを 起動するようになっていた Springコンテナの1回の起動

    ・・・ 30秒 Springコンテナを使っていたテストクラス ・・・ 200個 起動時間だけで30秒 × 200クラス = 100分 テストの結果待ちでたくさんTwitterできるね! Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 27
  16. Step 3: テストの高速化 ◼ あとは地道に改善していく • 可能な限りテストクラスはフレームワークのサポート無しの POJOテストにする • Springコンテナの起動時間の短縮

    • Springコンテナのキャッシュを有効にする 起動時間が20秒、起動回数が10回になれば・・・ 100分 ▶ 20秒 × 10回 = 200秒 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 28
  17. Evolve the Earth with Emotion of Technology Copyright © Acroquest

    Technology Co., Ltd. All rights reserved. 30 効果的な自動テストで開発効率↑↑