徳島を元気にする事業プランコンテスト「とくしま創生アワード」の最終審査会が11月9日に開かれる。
3回目となる本年度の応募総数は70件、書類審査を通った9件が最終審査に進んだ。過去2回のコンテストには188件のプランが寄せられ、23件が最終審査に残った。
これまでに受賞した3組の近況を紹介する。

ゲノム編集技術 セツロテック(徳島市)

徳島市の徳島大・藤井節郎記念医科学センター

  徳島大発ベンチャー・セツロテック(徳島市)は、一度に効率よく複数の受精卵の遺伝子を改変させるゲノム編集技術で、2017年度のグランプリに輝いた。ゲノム編集で新たな境地を切り開き、当時数人だった社員は15人に増え、さらなるビジネス拡大を図っている。
 基幹事業は、製薬会社や大学の研究者向けの創薬支援。新薬を開発する際に必要な実験用マウスなど、目的にかなった個体を独自のゲノム編集技術で作りだして販売しており、大手企業などからの受注増に力を入れてきた。
 本年度は、徳島大などと共同で行う新たな取り組みが中小企業庁の支援事業(補助約1億円)に採択された。手作業で行っているゲノム編集を自動化する装置を開発しており、完成すると、受精卵の大量・多品種生産が容易になる。その受精卵を活用すれば、新薬作りに大いに役立つという。
 また、創薬以外の多様な分野にゲノム編集技術を活用することも目指している。例えば、食肉部分が多い家畜や長寿命のペット、特殊な色の絹を出す蚕などの開発だ。
 竹澤慎一郎社長(43)は「各業界との連携を強化して研究を進め、新しいゲノム編集の生かし方を示していきたい」と話している。

▶次ページ:埠頭の倉庫を活用 アクア・チッタパーク 牛島家具