総踊りを披露する阿波おどり振興協会の踊り子=徳島市の藍場浜公園

 今夏の徳島市の阿波踊りで、主催団体の阿波おどり実行委員会の中止要請に反発し、「総踊り」を強行した有名連14連でつくる「阿波おどり振興協会」が24日、西日本豪雨の被災地に義援金を送ろうと、同市の藍場浜公園などでチャリティー公演を開いた。同公園で踊り子約千人による総踊りがあり、観客約3千人が磨き抜かれた技を堪能した。

 連ごとに違う色とりどりの着物に身を包んだ踊り子は、ぞめきのリズムに合わせて乱舞を繰り広げた。観客は盛んに拍手を送ったり、カメラのシャッターを切ったりしていた。

 総踊りに先立ち公演があったあわぎんホールでは、踊り子が募金箱を手にして観客に寄付を呼び掛けた。10月にも愛媛県などに持参し、踊りを披露する。

 観客席の最前列で総踊りを見た愛媛県東温市の無職鷲峯(わしみね)知典さん(68)は「限られた時間だったが、とても迫力があった」と喜んでいた。

 総踊りは例年、阿波踊り期間中に南内町演舞場で行われていたが、昨夏までの主催者だった市観光協会(破産手続き中)の赤字問題を巡って、振興協会と市が対立。今夏の主催団体となった市などでつくる実行委員会が総踊りを中止し、新たな演出に変更したが、振興協会は反発。8月13日に演舞場外の路上で総踊りを強行した。