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10代セレブの住宅事情。そして自立の良し悪し。

カイリー・ジェンナーが「9億ドル(約990億円)のコスメ女王」として最近話題になっているが、そんな彼女が、約3億円の大豪邸を購入したのは17歳の時のこと。ほかにもジェイデン・スミスは15歳で一人暮らしをスタートさせたり、アンジェリーナ・ジョリーは14歳の時に自宅で同棲をスタートさせている。自立が早いことは、セレブ界では当たり前なのかもしれないが、想像を超える驚きの住宅事情や親離れについてのエピソードをD姐が深掘りした。

サイドビジネスで成功するセレブたち。

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8月10日で21歳になるカイリー・ジェンナーが米経済誌の『フォーブス』の表紙を飾って物議を醸した。同誌の「アメリカの女性ビリオネア(10億ドル長者=1100億円)」特集号で、カイリーは「9億ドル(約990億円)のコスメ女王」とのタイトルで「21歳にして、セルフメイドの最年少ビリオネア誕生へ。超有名人の影響力が支配する時代の申し子」と謳われた。セルフメイドとは親の相続などではなく、たたき上げの自力で(財を成し)成功した、という意味だけれど、「裕福で有名人一家に生まれたのに、なぜセルフメイドなのか」という非難が多かったのだ。

サイドビジネスで成功を遂げている代表的女優といえば、サラ・ジェシカ・パーカーだろう。彼女のオリジナルシューズコレクション、「SJP」のプレゼンテーションにて。Photo: Frazer Harrison/Getty Images

カイリーが成功したのは自身の通販のコスメブランド「カイリー コスメティックス(KYLIE COSMETICS)」だが、姉キム・カーダシアン・ウェストケンダル・ジェンナーだってアパレルブランドを立ち上げている。

また、グウィネス・パルトロウ(ライフスタイル関連)や、ジェシカ・アルバ(ベビー用品)、ハイディ・クルム(ランジェリー、服)、サラ・ジェシカ・パーカー(シューズ)、リアーナ(コスメ、ランジェリー)のように、畑違いのサイドビジネスで成功しているセレブも多い中で、カイリーのビジネスはダントツに収益をあげているのは確かだ。

そんなカイリーは、十代の頃から一般人とは一線を画した家に住み、豪華な生活を送っているという点では、確実にセルフメイドの道を歩んでいると言えるかもしれない。カイリーのほか、ヤングセレブたちの住宅事情や親からの独立などを見てみよう。

465㎡、3億円の家に17歳で住んだカイリー。

Photo: Kevin Mazur/MG18/Getty Images for The Met Museum/Vogue

カイリー・ジェンナーの初めてのマイホーム購入は、なんと17歳のとき。2015年に270万ドル(約3億円)で465平米のプール付き5LDKをカーダシアン姉たちが住むカラバサス地区に購入。さらに翌年には隣町で母が住むヒドゥン・ヒルズに約6億6000万円、約5億円、約13.2億円と3軒も購入。そして昨年に最初の270万ドル(約3億円)豪邸を3億1500万円(3億4500万円)で、450万ドル(約5億円)の家を528万ドル(5億8000万円)で売却して利益をあげたことでも話題になった。

カイリー・ジェンナーが17歳で購入した家。Photo: X17/AFLO

豪邸の価格と数(ちなみに4軒合わせてのトイレ・バスルーム数は26!)にも驚かされるが、それより17歳という年齢で自宅を購入して一人暮らしを始めたこと。カイリーの場合は、むしろ母クリスが自分で財政管理をすることを覚えるために自宅を購入することを強要したとか。この辺がやはり「史上最年少ビリオネア」への帝王学だった。

購入は全てカイリーの所持金、というのもまた凄いが、2015年の総資産額はまだ約50億円程度だった。ビリオネア間違いなしのカイリーに倣えば、(経済的余裕があれば)親離れ・子離れは早いうちにした方がいい、ということが言えるのかも。

15歳で一人暮らしを始めたジェイデン・スミス。

Photo: Todd Williamson/Getty Images

17歳どころか15歳で一人暮らしを始めたのは、ウィル・スミスの息子、ジェイデン・スミスだ。先日20歳の誕生日を派手にマイアミのクラブで行なった(けれど、飲酒解禁年齢は21歳なのでまだ飲酒できない)ジェイデン。母ジェイダ・ピンケット・スミスの元を離れた時のことをジェイダは思い出し、「『ママ、俺は家を出て自分の人生を生きなきゃいけないんだ』って言われたの。大ショックだったわ。一人で考えて、『そうね、彼の言っていることは正しいわ。今がその時なのよ。15歳になったんだし、家を出て自立する時なのよ』と思ったわ」と発言し、世間から「正しくない!」と反論が起こった。

TV局『VH1』のイベントに参加したスミス家。〈左から〉ジェイダ・ピンケット・スミス、ウィル・スミス、ウィロー・スミス、ジェイデン・スミス、トレイ・スミス。Photo: Jim Spellman/WireImage

18歳が成人年齢のアメリカでは、未成年の一人暮らしは保護者として責任放棄とも捉えられてもおかしくないと、世間は親が息子の15歳の家出を許可したことに批判的な声が多かった。当のジェイデンは「家にいて両親と一緒に大切な時間を過ごすことのありがたみを感じることができる」と、大人びた発言をしている。

ジェイデンは現在、25歳の兄トレイ、17歳の妹ウィローとともに両親と一緒にイタリアで家族バケーション、家族仲は良好のようだ。ジェイデンの場合は早く親離れしたことが、ウィル・スミス夫婦の息子というよりエッジーなアーティストのイメージを先行させるのに役立ったように思うが、もしやそれも計算済み?

アンジェリーナ・ジョリーは、16歳で親離れ。

Photo: Paul Treadway / Barcroft Images / Barcroft Media via Getty Images

14歳で自宅同棲を始めたというのが、アンジェリーナ・ジョリー。俳優ジョン・ヴォイトの娘だが、アンジーが1歳の時に両親が別居し、5歳の時に離婚が成立している。アメリカでは日本の中学3年生に当たる14歳で高校に入学するが、アンジーはビバリーヒルズ・ハイスクールに通い始めると、「私がまだ14歳の時、彼氏と一緒にママの家で暮らしていたの。これはママが決断したことで、一番賢かったことだと思うわ。こうしていれば、公園にデートに行かなくたっていいんだもの。私たちは2年ほど夫婦のように暮らしていたわ。私が16歳になって、もっと仕事に集中したくなるまで続いたの」とか。

そして16歳で高校卒業資格をとり家を出たアンジーは、アパートを借りて一人暮らしを始めた。16歳にして「結婚」「夫婦生活」「離婚」「親離れ」の疑似体験をすでに完了している人はセレブ界でもそうそうはいないだろう。長男のマドックス君が16歳、実子最年長のシャイロちゃんが12歳、今度はアンジーの子供たちの親離れのタイミングと暴露が楽しみだ。

セレーナ・ゴメス&ディズニースターの家購入事情。

Photo: Raymond Hall/GC Images/Getty Images

若き土地転がしの先輩格といえば、セレーナ・ゴメスかもしれない。セレーナが2011年に18歳で初購入したマイホームは、218万ドル(約2億4000万円)で、その後イギー・アゼリア&NBA選手ニック・ヤングに325万ドル(約3億5500万円)で売却。次に369万ドル(約4億円)で購入した家はラッパーのフレンチ・モンタナが購入したが、こちらは赤字で330万ドル(約3億6千万円)で売却した。

Photo: Robert Kamau/GC Images

ディズニー出身のセレブの場合、デミ・ロヴァートマイリー・サイラスのように10代のうちにマイホームを購入するセレブも少なくないが、ディズニードラマ「シェキラ!」でブレイクしたベラ・ソーンの場合は、19歳で200万ドル(約2億2000万円)で購入。妹と一緒に暮らしているが、女優としての稼ぎではなく、写真1ポストで700万円、ストーリー(動画配信)で100~200万円の収入があるインスタグラム(7月現在、約1750万人のフォロワー)やスナチャといったSNSでの活躍による収入のおかげで、SNSをやり始めて1年半で家を購入した。

日本だったらいくら稼いでいてもアイドルが億単位の豪邸を次々と購入・転売していたら、ファンはドン引きするかもしれない。しかし、アメリカのアイドルが目指すのは「あどけなくて可愛い」ではなくて、「セクシーで大人びた」印象の女性で、こういった意識の差が、自立や親離れというライフスタイルにも現れているのではないでしょうか。