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和歌山・熊野那智大社で例祭「扇祭り」 無形文化遺産「那智の田楽」奉納も

重さ約50キロのたいまつを手に石段を上り下りする担ぎ手

重さ約50キロのたいまつを手に石段を上り下りする担ぎ手

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 熊野那智大社(東牟婁郡那智勝浦町那智山)で7月14日、恒例の「那智の扇祭り」が行われた。

ユネスコ無形文化遺産「那智の田楽」

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 1700年前に那智の滝に祭られていた12柱の神を迎え創建されたという同神社。同祭は毎年7月14日に行う例大祭で、那智の滝前の「飛瀧神社」に12注の神が年一度里帰りする様子を表した神事。別名「那智の火祭り」とも呼ばれ、2015年に国の重要無形民俗文化財に指定された。

 午前は、ユネスコ無形文化遺産に指定された民俗芸能「那智の田楽」や、「カイガ・エブリ」と呼ばれる木製牛頭を持ち太鼓と笛の音に合わせて歌いながら田を巡る「御田植え式」を奉納した。午後は、熊野の神12柱が降ろされた幅1メートル、高さ6メートルの「扇神輿」12体が、重さ約50キロの「大松明」12本に続いて飛瀧神社に向かった。みこしは途中で止まり、たいまつだけが飛瀧神社の鳥居をくぐり火がつけられた。たいまつの持ち手は威勢の良い掛け声を発しながら石段を上り、みこしを清めた後再び石段を下りた。途中、たいまつの火の熱さと重みに耐えきれずバランスを崩し、周りの持ち手役に助けられる場面も見られた。参拝客からは、勢いよく燃えるたいまつから飛び散る火の粉に大きな歓声が上がった。

 大たいまつの氏子を務めた30代男性は「大たいまつに火がついて石畳を登る時が一番しんどいが、年に1回の祭りに参加して無事に役目を終えた達成感が心地よい。日本三代火祭りの一つなので、続けられるまで大たいまつの持ち手役を務めたい」と笑顔を見せた。

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