阿波おどり振興協会の総踊り=南内町演舞場(2017年)

 徳島市は14日の市議会産業交通委員会で、阿波おどり振興協会の合同連が南内町演舞場で実施していた総踊りを、今夏(8月12~15日)は中止すると表明した。岡孝治委員(徳島活性会議)の質問に青木英樹観光課長が答えた。各委員から「総踊りは多くのファンを魅了していただけに、阿波踊りが失敗するかもしれない」と対応を疑問視する声が相次いだ。

 青木課長は、今夏の阿波踊りを主催する「阿波おどり実行委員会」が有料4演舞場のチケットの売り上げアップに向けて、2部(前後半制の後半)のフィナーレで複数の有名連が踊り込む新たな取り組みを始めると説明。「(同時刻に南内町演舞場で行われる)総踊りは昨年までのような形でできなくなる」と、中止を明言した。

 総踊りは、約1500人が一糸乱れぬ踊りを披露し、南内町演舞場の2部のフィナーレを飾ってきた。

 岸本和代委員(公明)は「総踊りを中止してチケット販売率の問題が解決するとは思えない」、岡委員は「(南内町演舞場のチケットは)総踊りを目当てに買う人がほとんどだ」と批判した。

 実行委は同演舞場の特別席のチケットを15日から販売する。この点について森井嘉一委員(交志会)は「総踊りがないなら売らない方がいいのではないか」と指摘。青木課長は「特別席は(総踊りのない)1部もほぼ100%の販売率でニーズが高い」とし、売れ行きに影響はないとの認識を示した。

 委員会終了後、豊井泰雄第2副市長は、来年度以降に総踊りを再開するかどうかについて「今夏の有名連による踊り込みの効果を検証した上で考えたい」と話した。