エリザベス2世は1952年に父親のジョージ6世が死去した後、わずか25歳の若さで王位に就いた。 それにもかかわらず、彼女は自分に与えられた役割を自然に受け入れた。即位70年目を迎えた今日まで、女王は大英帝国の崩壊、フォークランド戦争、1980年代後半の炭鉱労働者のストライキ、そして欧州連合からの撤退に至るまで、多数の荒波をくぐり抜けるイギリスの舵取りを手伝ってきた。
近年ではポップカルチャーのアイコンへと進化し、2012年ロンドンオリンピック開会式ではジェームズ・ボンドに扮したダニエル・クレイグとともに出演し、その動画はYoutubeで5000万回以上の視聴回数を突破している。
「私の生涯、それが長かろうが短かろうが、皆さんのためにこの身を捧げることを宣言します」と21歳の誕生日のスピーチで語ったエリザベス女王。英国史上最長在位の君主の半生を数々の写真とともに振り返ってみよう。
1937年5月12日(以下、現地時間)、父ジョージ6世と母エリザベスの戴冠式後、バッキンガム宮殿のバルコニーにて。中央がエリザベス女王、右が妹のマーガレット王女。
1939年、13歳の誕生日を迎えたこの日はウィンザー城で乗馬を楽しんだ。
1940年の春、ウィンザー城で愛犬と。長年コーギー犬を飼っていたことでも知られている女王だが、18歳の頃に飼っていたコーギー犬の直系の子孫は2018年に亡くなってしまった。
女王は1944年5月25日、クイーンエリザベス病院にてスピーチを行った。これが初の単独公務となった。
1946年7月、ウィンザー城にて妹のマーガレット王女と。
1947年11月20日にウェストミンスター寺院で結婚。エリザベス女王は1万のパールとシルバー、クリスタルが刺繍されたノーマン・ハートネル(NORMAN HARTNELL)のウエディングドレスを着用し、フィリップはエディンバラ公爵の位を授与された。
1947年11月23日、フィリップ殿下と新婚旅行へ。二人はハンプシャーのロムジーにあるブロードランズでハネムーンを過ごした。
ウィンストン・チャーチルは、首相退任を迎える前日の1955年4月4日に女王をディナーに招待した。女王の後ろに続くのは、チャーチルの妻クレメンティーン・チャーチルとフィリップ殿下。
1961年6月にアメリカを訪問した女王は、ホワイトハウスで行われたレセプションにフィリップ殿下と出席。ジョン・F・ケネディ元大統領、妻のジャクリーン・ケネディとともに。
1982年、南太平洋へのロイヤルツアーでフィリップ殿下とソロモン諸島を訪れた。色鮮やかなブルーのアンサンブルにはホワイトのアクセサリーを合わせ、10月も夏気候が続くソロモンらしいコーディネイトを披露した。
1987年5月にダイアナ妃とポロの試合を観戦。淡い色合いのジャケットルックで合わせた二人だが、女王は定番のパールネックレス&イヤリング、一方のダイアナ妃はハートのイヤリングと個性が現れた。
2005年11月、バッキンガム宮殿で行われたレセプションには、南アフリカ元大統領ネルソン・マンデラが出席した。
2012年6月、ノッティンガムにあるヴァーノン・パークで開かれたスポーツイベントをキャサリン妃とともに見学した。
2012年6月27日にベルファストで開催されたダイヤモンド・ジュビリーのイベント。エリザベス女王とフィリップ王配を一目見ようと何千人もの国民が集まった。
2015年、バッキンバム宮殿が公開したポートレイト。手前にあるボックスが、毎日女王に届く政府関連の書類や手紙が入れられる「レッド・ボックス(赤の箱)」だ。
2016年6月11日、90歳の公式誕生日を祝うトゥルーピング・ザ・カラーには、1万人以上がバッキンガム宮殿前に集まった。ジョージ王子やシャーロット王女もバルコニーに登場し、その愛らしい姿も注目の的に。
2018年の2月に行われたリチャード クイン(RICHARD QUINN)の2018年秋冬コレクションを観覧。フロントロウに座った女王の隣にはアナ・ウィンターが座り、話題となった。
毎年、女王はクリスマス休暇をイギリス東部のノーフォーク州にある私邸、サンドリンガム・ハウスで過ごしてきた。2018年12月、電車でキングズ・リン駅に到着した女王は頭に巻いたバーバリー(BURBERRY)のスカーフがアクセントに。
コロナ渦の2020年12月、女王はウィンザー城でボランティアやエッセンシャルワーカーたちに敬意を表し、赤の装いで現れた。
2021年4月にフィリップ王配が崩御した後、女王は亡き夫が愛用していた杖を持って公務にあたる機会が増えた。
2022年6月には英国君主として、史上初めて即位70周年を迎えた歴史的な節目を記念し、プラチナ・ジュビリーの式典が4日間にわたり開催された。最終日にはバッキンガム宮殿のバルコニーに女王が、王室メンバーたちとともに登場し、宮殿前に集まった大勢の参加者たちに手を振って笑顔を見せた。
Text: Annachiara Biondi