LIFESTYLE / Gourmet

「ロデオ」(イタリアン)犬養裕美子のレストランガイド。

ブームが続く“薪焼き”料理。「ペコシセ」に続いて、今週は中目黒にオープンした「ロデオ」を紹介する。『VOGUE JAPAN』4月号"Conceptual Cuisine"掲載記事。
黒毛和牛サーロイン 100g ¥2,200。一人客にはうれしいシステム。「小さくても厚みのあるカットの仕方で焼けばおいしく焼けます」と渡邉シェフ。

中目黒にオープンした「ロデオ」は、恵比寿の隠れ家レストラン「リストランテ ダ バッボ」の2店目。1店目は少量多皿スタイルのコースだが、2店目はアラカルトでオーダーできる店にガラリと変えた。カウンター席の目の前にある“焼きコーナー”には炭と薪の2つの炉を用意した。

「今、薪には桜を使っていますが、香りをつけるなら薪。とはいえ火力が安定しないのが難しいところ。安定した火入れが必要な時は炭火を使います」と渡邉大祐シェフ。ここでは黒毛和牛をなんと100gからでもオーダー可能。「直に焼くのではなく、遠火でじっくり火を入れ、仕上げに薪で香りづけをします」

サーロイン 2200円、モモ肉 2000円、バラ肉 1200円、ハラミ 1500円など、100gずついろいろな部位を食べ比べるのも楽しい。目の前で自分の肉が焼けていくのを眺めるのは贅沢だ。「店に入った瞬間に、ほわっと薪の香りに包まれてリラックスするようですよ」

ヒトの進化は火を使ったことからと言われているが、さまざまな火を扱った結果、原点に戻り、薪の扱い方をマスターすることが肉焼きの最終章なのかもしれない。

ロデオ(RODEO)
2017年11月20日オープン。炭と薪を使いこなす料理にグラス¥500からのリーズナブルなワインが揃ったカジュアルな“イタメシヤ”。インカのめざめのヒネ(1年前のもの)を薄くスライスして揚げたポテトチップスがコペルト¥330として出されるが、これがクセになるおいしさ。予算¥6,000前後。

東京都目黒区中目黒3-5-1 中目黒プレアタワー1F Tel./03-6451-2262 営業時間/17:00~23:00 LO 定休日/不定休 カウンター6席、テーブル4卓

犬養裕美子
レストラン・ジャーナリスト。「大雪、火山の噴火、地震……。今日もどこかで何か大変なことが起こっている。もし、自分がその場にいたら、きちんと対処できるだろうか?『命を守る行動を』というセリフを聞いて、なんだか日本語として変、と他人事だったが今は即行動に移せると思う。やっぱり水と非常食を、いま一度見直そう」

焼き野菜盛り ¥1,200。塩とオリーブオイルだけで仕上げるシンプルな焼き野菜。
三陸のカキ(1個) ¥500。入荷があればぜひオーダーしたい一品。
山手通りに面した入り口には、割烹か焼鳥屋かと見紛う白い暖簾がかかっている。店内に入ると、細長いバーのよう。ソムリエールの村中さんのセレクトは、興味深くてドンピシャ。

Text: Yumiko Inukai Photos: Muneaki Maeda Editor: Mihoko Iida