この記事をざっくり説明すると……
毎日新聞医療プレミアの記事で「眠りの質を下げない「夜のお酒」の飲み方」というのが気になってしまいました。
記事は、久留米大学の教授で睡眠研究の第一人者と言われる内村直尚さんに取材したものなので、信頼できると思います。
「寝酒」の功罪
世界的に「寝酒」は睡眠の質を下げると言われ続けているようです。
しかし、ある調査で寝酒について調査した結果、10カ国の平均が19.4%だったのに対して、日本では30.3%と、日本が世界的にも「寝酒大国」であることが浮き彫りになっているようです。
これは、欧米に比べて日本が不眠を病気としてとらえることが少なく、投薬で対処することがほとんどないことが関係しているのではないでしょうか。
また、宗教的にも飲酒に対して寛容であることが影響していると思われます。
科学的には、脳神経細胞のGABA受容体にアルコールが結合することで、GABAがGABA受容体に結合したのと同じ鎮静作用が起こり、眠気をもたらします。
この一時的な作用によって、飲酒が睡眠をもたらすと「勘違い」されたことが、「寝酒」を推進させていると思われます。
しかし、アルコールがGABAと異なるのは、分解過程でアセトアルデヒドを形成し、これが交感神経を刺激してしまうのです。交感神経はすなわち、身体に「目覚めなさい」という信号を送る司令塔ですね。
それによって、睡眠は深くなることなく、途中で目覚めてしまうと言うわけです。
こうした作用を起こしてしまうから、飲酒は睡眠の質を下げると言われ続けているのです。
「寝酒」を悪者にしないためには
「寝酒」はそもそも「ぐっすり寝たい」ために行なうもの。
それが逆効果だったと聞かされたら、なにに頼ればいいのか、よけい眠れなくなりそうですよね。
そこで、内村先生によれば、アルコール分解速度を考えた飲み方をすれば、飲酒をしても睡眠の質を妨げずに済む方法があるとのことです。
一般的な成人の体格では、ビール大瓶1本か日本酒1合のアルコールを完全に分解するのに3〜5時間かかるそうです。
ということは、寝る3〜5時間前には飲酒を止めればいいというだけなのです。
なんだ、ダイエットで20時以降は食べないとかと同じことだったのですね(笑)。
記事では、食事で晩酌するぶんには、アルコールが睡眠に悪影響を与えることはほとんどないとしています。
まとめ
「♪いつのまにやらはしご酒〜」というのが身体に悪いことは誰もが知っていること。
「たしなむ」ことがお酒との良い&長い付き合いを可能にしてくれるとは、言われてみれば当たり前のことだったんですね。
それができれば、苦労はないんですが……。